近況
前回の投稿から現時点で一年以上が経過した。既にこのブログは放置状態に置かれ、ヨーロッパの旅行記を半年分残したまま、インターネットの片隅で崩れ落ちようとしている。
ヨーロッパから帰国後、暫くしてまた同じ仕事に就き、金を稼ぐ日々が続いていた。最終的には精神的限界を迎えた気もするが、何にせよ僕はまた仕事を辞めた。そしてインドへと向かった。
雑多な混乱の渦の中、夜のデリーから始まり、ジャイプール、アグラへと、何を考えるでもなく向かった。そして高まる気温に耐えきれず、僕は北へと向かう。リシケシュにて快適な一月半を過ごし、そしてまた気温は上がった。僕はまた北へと向かう。
そうして訪れたヒマラヤ山脈の入り口で、僕は長い余暇を過ごした。温泉に入り、のんびりと過ごす毎日。本を読み、微睡み、雲のかかる山を僕は見ていた。ただひたすらに。ただひたすらに。
僕はその山に何を見たのだろう。
僕はその空に何を見たのだろう。
僕はその月に何を見たのだろう。
僕はその人に何を見たのだろう。
僕は僕の中に、何を見たのだろうか。
僕は依然として僕であるが、しかし変化は訪れている。自分は自分でありながら、自分以外の何かへと変わっていく。僕は自分と共にここにいる。自分は変遷し、僕はちがう世界をながめている。
ただひたすらに山を見て過ごした日々に、僕は何かを宿らせようとしていた。果たして何か、宿ったであろうか。
山をおりる最後の日、美しく晴れた青い空と、遠くにそびえる銀嶺と、湯気のように雲を立ち上らせる森が輝いていた。
目を閉じれば浮かび上がる。意識を閉じれば、僕はもうそこにいた。
僕の心には、美しい山の光景が宿っていた。