七月九日、パエリヤ、クラシック講義、モダンアート、マルセイユの夜景
ノートを見るとパエリヤが美味いと書かれている。町へ向かうとまた朝市が開催されていたのだが、流石にパンとトマトはもう厭きた、と云うことで、パエリヤを食べてみることにしたのだ。頼んでみると?6.5。少し高いかなぁ、と想いながら袋を見ると、フォークが無いことに気付く。…手掴み?と想いながら取り敢えず水を買うために寄った小さな売店で、使い捨てのフォークを売っていないか聞いてみる。すると最後の一つが有ったのだが、どうやら店の人間が使ったらしく封が空いていた。うぬぬ、と想いながら無いよりはマシだけどなぁ…と考えていると、店の人が一つ欲しいなら上げるよ、と云って一本くれた。ありがとう!店の商品開けちゃってるのもどうかと想うけど、結果的にはありがとう!
適当に腰掛けて食べる。食べてみて納得、?6.5は全然高くない。何しろ大きな海老が一匹と、鶏肉が一本、小さな海老は一杯入ってるし、貝もかなりの量が入っていた。普通に二人で分けて食べる位の分量である。味もかなり美味しい。毎回朝市で見る度買おうか如何か考えるのだが、時々なら食べようと想った。流石に毎回食べていては、金が持たない。
その後はまた町をぶらぶら、と。
日差しが強すぎる所為か、何もしていないのにコントラストの高い絵になる。因みに載せている写真は全て未加工です。(あ、そう云えばアールで撮った先生の写真だけ少し弄った)時間が有ればRAW現像したいなぁ。
そうだ、想い出した。先日行った個展のおじいちゃんに薦められた地区を歩いてたんだ。確かに綺麗だった。確かエクサンプロバンス、観光案内所から南東すぐの地区。
新しい建物。色合いとかちゃんと考えて作ってるんだろうなー。見た目に汚らしい印象を持たせる建物が無いので、気分が好い。ジャンカラみたいな建物な!
日差しが強すぎたので木蔭が少し暗いが、メインの大通り沿いはずっとオープンカフェが並んでいる。
眼鏡のネジが取れてしまったので、暫く眼鏡無しで生活していた。何が辛いって美術展。今思い出したけどピカソの美術展は眼鏡が無い所為でかなり苦労した。
好い加減眼鏡を直すか、と云うことで眼鏡屋に寄って直して貰う。値段を聞いたら「タダで好いよ」と云ってくれた。ありがとうグランドオプティカル!感謝として宣伝しておく。多分効果ゼロだけど。
この写真を見る限り、恐らくまた朝市へ行ったのだと想う。朝市に在るパン屋が限られているので、毎回同じところで買っていたのだ。何となく写真を撮った。
町をうろうろしていると、何やら受付と其処に這入っていく人々を発見。何か在るのかな、と想い訊いて見ると、良く判らないが音楽関係の何かが行われているらしい。這入って好いのか悪いのか判らなかったのだが、何となく這入っても良さそうだったので、奥へ進む。
良く判らないままに這入っていくと、どうやら大学の講義室らしい場所に出た。舞台上には数人の生徒と、恐らく特別講師であろうお爺さんが立っていた。幸いにして英語で講義を行っていたので、理解することが出来た。
・音色に対する拘り、感情の込め方、音の強弱、正に音の色と書いて音色。そう云った物を扱う場所だった。非常に繊細な音の作りでシンフォニーを組み上げる。協調、僅かな差異、空間を色で満たしていく。弦を震わせ、空気を震わせ、空間が震える。そして耳に届き、体を震わせる。芸術としての音楽。
何を想ったかと云うと、「本当に小さな音の変化にまで気を配るんだな」と云うこと。此れまでクラシック音楽を確りと聞いた事は無かったのだが、コンサートへ行きたいなと想った。上手とか正確とかそんなのは当たり前で、感性に訴える為心を込めるのだろうか、と考えた。
講義自体は大学院の講義だったらしい。特別講師を招いて、公開授業、と云った所だろうか。別室では管楽器を用いて授業が行われていたらしい。この教室では弦楽器。二時間くらい堪能したかったのだが、残念ながら一時間で終了。特別講師のおじいちゃんは、細かい処を修正する為時間ぎりぎりまで頑張っていた。にしても、確かに講師が指摘した様に弾くと、美しく響くものだと想った。
その後は暫く何をするかなー、と云う感じでうろうろとしていたのだが、急に思い立ってセザンヌのアトリエへ行くことにした。
アトリエ内は撮影禁止だったので、庭の写真。
アトリエの中は非常に広い空間で、大きな窓が壁一面、山手の方に据えられていた。山は鬱蒼と生い茂っていたが、綺麗な木漏れ日がアトリエの内部を照らす。開放感のある空間は非常に魅力的で、出来るならこう云う家に住みたいと想った。
庭も広くて綺麗だ。セザンヌはこの庭で何枚も絵を描いたらしい。
アトリエ内部と庭を堪能した後、また町の方へと歩いて行く。と云うか、このアトリエ、先日町の外れを歩いていた際に、かなり近くまで来ていた様だ。序でに這入ればよかったが、まぁ存在を知らなかったので仕方ない。
何だか知らない間にまたこの教会に来てしまった。
綺麗だから好いけど。
何処だろう、これは。新しいが綺麗な建物である。
その後はちょっとパンフレットが気になっていた美術館へ向かう。
美術館と云うか、アトリエ兼バー、見たいな感じだった。中に展示されていたのは、中々面白い作品ばかりだった。ソニーのAIBOを改造して、鹿やらサイやらチーターやら、色んな動物の剥製(もどき)を作っていたり、カメラとゴーグルを背負い、取り込まれたイメージをその場で変換し、サイバーな見た目と音で再現する機械(文章での説明が難しい。平常とは全く異なった世界を体験できる。)が有ったり、聖書のセンテンスからDNAを作り上げ、其れで生み出されたバクテリアだったり。他にも色々有ったのだが、説明するのが面倒だし説明しても判り難いので止めて置く。確かサイトが有った筈なんだが、パンフレットを日本に送ってしまったので判らない。多分セカンドネイチャー.何とか、の筈なんだけど。
中に居た店主っぽい人と色々話をして、説明を受けた後、こう云った映像作品とかが好きなら、町外れに在る美術館に好いのがあるよ、と教えて貰ったので、行くことに。と云うかホステルのすぐ近くから見えてた建物だった。
何だあの建物は、と想っていたのだ。
これまた其の作品の説明が難しいのだが、周りを全てスクリーンに埋められた部屋で、3D用の眼鏡をかけて見るのだ。映像は宇宙空間のような場所で、蛇のうねりの様な巨大な物体が蠢いている。それは実際には全て小さな映像から出来た全体的な「流れ」で、其の流れの中を擬似的に飛び回るように見える。これが非常に面白い。音もその小さな映像の集合体から成る音で、映像は多様だった。ただ一貫性を持った映像なので、遠くからそのうねりを見ると、一つの集合体としてのイメージになる。まぁ見て見ないと判らない類の作品なので、無理に説明しようとしても無理だな。若しエクサンプロバンスに訪れる機会のある方は、是非訪れて欲しい。ユースホステルのすぐ近くだ。
時間もぎりぎりの状態で美術館に入ったので、閉館時刻になって出る。その映像作品以外は、視覚効果に訴えるような作品だった。複数の図形が並んでいて、色が異なって見えるけど実際には同じ色、とかそう云った類だ。ただサイズが半端なくでかい。何と云うか、二十世紀末の匂いがする美術館だった。テクノでサイケでヒッピーでバブリー感じだ。どんな説明だ。
その後ホステルは近いので荷物を取り、駅へ向かい、エクサンプロバンスを発つ。実際、この町はかなり気に入った。住むならモンペリエが一番好いかな、と想っていたのだが、エクサンプロバンスもかなり魅力的だ。モンペリエの好い所はビーチまで結構近く、安くで行けると云う点で、エクサンプロバンスの好い点は、芸術的な活動が活発、と云った所だろうか。若し一軒家が持てるなら、問答無用でエクサンプロバンスだ。学生は無論、モンペリエ。カフェでお茶して夜はバーで、週末はビーチだ。
住みたい場所の夢物語は置いておくとして、マルセイユに到着し、地下鉄を乗り継いでバスへ。バス停に着くと何処にもタイムテーブルが無く、どうなってるんだ!と云う気分で近くに居た若者に聞いてみると「もうバス無いみたい」との事。歩いて行くのか…。とげんなりしながら、近くで同じようにげんなりしていたスーツケース所持の女の子に話しかけてみると、彼女もユースホステルに向かう所だと云う事だった。それっぽいなぁ、と想って話しかけてみたら、正に其の通りだった。
取り敢えず方向が判らないので、近くに居た人に訊いてみる。其の子はフランス人だったので、訊くのは任せる。こう云う時に連れが居ると便利である。
そして大体の方向が判ったと想った時、何とバスが到着。急いでバス停まで戻り、乗ることが出来た。そしてバスに十五分程乗り、ホステル付近に到着。と云うか、結構高い丘だったので、歩いてたら酷いことになってた。
その後も少し迷ったりしながら、何とかホステルに到着。女の子は彼氏が遅れてくると云う事だったので、其処で別れる。チェックインを済ませ、部屋に。其の時は気付かなかったのだが、どうやら一人部屋らしい。でもベッドが三つある。少し独りになりたかった(オッサンとか来ても厭だし)ので、誰も来ないことを祈りながら眠る。
このホステルは昔城だったらしい。と云う訳で中の造りが結構豪華だった。当然部屋は普通のホステルだが、玄関からの吹き抜けは非常に好い趣がある。
夜景も綺麗だった。部屋からじゃなくてシャワールームからだけど。部屋から見えたら最高なのにな。運悪く、僕の部屋からは見えず。