七月九日、パエリヤ、クラシック講義、モダンアート、マルセイユの夜景

2009.07.26

ノートを見るとパエリヤが美味いと書かれている。町へ向かうとまた朝市が開催されていたのだが、流石にパンとトマトはもう厭きた、と云うことで、パエリヤを食べてみることにしたのだ。頼んでみると?6.5。少し高いかなぁ、と想いながら袋を見ると、フォークが無いことに気付く。…手掴み?と想いながら取り敢えず水を買うために寄った小さな売店で、使い捨てのフォークを売っていないか聞いてみる。すると最後の一つが有ったのだが、どうやら店の人間が使ったらしく封が空いていた。うぬぬ、と想いながら無いよりはマシだけどなぁ…と考えていると、店の人が一つ欲しいなら上げるよ、と云って一本くれた。ありがとう!店の商品開けちゃってるのもどうかと想うけど、結果的にはありがとう!

適当に腰掛けて食べる。食べてみて納得、?6.5は全然高くない。何しろ大きな海老が一匹と、鶏肉が一本、小さな海老は一杯入ってるし、貝もかなりの量が入っていた。普通に二人で分けて食べる位の分量である。味もかなり美味しい。毎回朝市で見る度買おうか如何か考えるのだが、時々なら食べようと想った。流石に毎回食べていては、金が持たない。

その後はまた町をぶらぶら、と。

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日差しが強すぎる所為か、何もしていないのにコントラストの高い絵になる。因みに載せている写真は全て未加工です。(あ、そう云えばアールで撮った先生の写真だけ少し弄った)時間が有ればRAW現像したいなぁ。

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そうだ、想い出した。先日行った個展のおじいちゃんに薦められた地区を歩いてたんだ。確かに綺麗だった。確かエクサンプロバンス、観光案内所から南東すぐの地区。

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新しい建物。色合いとかちゃんと考えて作ってるんだろうなー。見た目に汚らしい印象を持たせる建物が無いので、気分が好い。ジャンカラみたいな建物な!

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日差しが強すぎたので木蔭が少し暗いが、メインの大通り沿いはずっとオープンカフェが並んでいる。

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眼鏡のネジが取れてしまったので、暫く眼鏡無しで生活していた。何が辛いって美術展。今思い出したけどピカソの美術展は眼鏡が無い所為でかなり苦労した。

好い加減眼鏡を直すか、と云うことで眼鏡屋に寄って直して貰う。値段を聞いたら「タダで好いよ」と云ってくれた。ありがとうグランドオプティカル!感謝として宣伝しておく。多分効果ゼロだけど。

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この写真を見る限り、恐らくまた朝市へ行ったのだと想う。朝市に在るパン屋が限られているので、毎回同じところで買っていたのだ。何となく写真を撮った。

町をうろうろしていると、何やら受付と其処に這入っていく人々を発見。何か在るのかな、と想い訊いて見ると、良く判らないが音楽関係の何かが行われているらしい。這入って好いのか悪いのか判らなかったのだが、何となく這入っても良さそうだったので、奥へ進む。

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良く判らないままに這入っていくと、どうやら大学の講義室らしい場所に出た。舞台上には数人の生徒と、恐らく特別講師であろうお爺さんが立っていた。幸いにして英語で講義を行っていたので、理解することが出来た。

・音色に対する拘り、感情の込め方、音の強弱、正に音の色と書いて音色。そう云った物を扱う場所だった。非常に繊細な音の作りでシンフォニーを組み上げる。協調、僅かな差異、空間を色で満たしていく。弦を震わせ、空気を震わせ、空間が震える。そして耳に届き、体を震わせる。芸術としての音楽。

何を想ったかと云うと、「本当に小さな音の変化にまで気を配るんだな」と云うこと。此れまでクラシック音楽を確りと聞いた事は無かったのだが、コンサートへ行きたいなと想った。上手とか正確とかそんなのは当たり前で、感性に訴える為心を込めるのだろうか、と考えた。

講義自体は大学院の講義だったらしい。特別講師を招いて、公開授業、と云った所だろうか。別室では管楽器を用いて授業が行われていたらしい。この教室では弦楽器。二時間くらい堪能したかったのだが、残念ながら一時間で終了。特別講師のおじいちゃんは、細かい処を修正する為時間ぎりぎりまで頑張っていた。にしても、確かに講師が指摘した様に弾くと、美しく響くものだと想った。

その後は暫く何をするかなー、と云う感じでうろうろとしていたのだが、急に思い立ってセザンヌのアトリエへ行くことにした。

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アトリエ内は撮影禁止だったので、庭の写真。

アトリエの中は非常に広い空間で、大きな窓が壁一面、山手の方に据えられていた。山は鬱蒼と生い茂っていたが、綺麗な木漏れ日がアトリエの内部を照らす。開放感のある空間は非常に魅力的で、出来るならこう云う家に住みたいと想った。

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庭も広くて綺麗だ。セザンヌはこの庭で何枚も絵を描いたらしい。

アトリエ内部と庭を堪能した後、また町の方へと歩いて行く。と云うか、このアトリエ、先日町の外れを歩いていた際に、かなり近くまで来ていた様だ。序でに這入ればよかったが、まぁ存在を知らなかったので仕方ない。

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何だか知らない間にまたこの教会に来てしまった。

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綺麗だから好いけど。

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何処だろう、これは。新しいが綺麗な建物である。

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その後はちょっとパンフレットが気になっていた美術館へ向かう。

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美術館と云うか、アトリエ兼バー、見たいな感じだった。中に展示されていたのは、中々面白い作品ばかりだった。ソニーのAIBOを改造して、鹿やらサイやらチーターやら、色んな動物の剥製(もどき)を作っていたり、カメラとゴーグルを背負い、取り込まれたイメージをその場で変換し、サイバーな見た目と音で再現する機械(文章での説明が難しい。平常とは全く異なった世界を体験できる。)が有ったり、聖書のセンテンスからDNAを作り上げ、其れで生み出されたバクテリアだったり。他にも色々有ったのだが、説明するのが面倒だし説明しても判り難いので止めて置く。確かサイトが有った筈なんだが、パンフレットを日本に送ってしまったので判らない。多分セカンドネイチャー.何とか、の筈なんだけど。

中に居た店主っぽい人と色々話をして、説明を受けた後、こう云った映像作品とかが好きなら、町外れに在る美術館に好いのがあるよ、と教えて貰ったので、行くことに。と云うかホステルのすぐ近くから見えてた建物だった。

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何だあの建物は、と想っていたのだ。

これまた其の作品の説明が難しいのだが、周りを全てスクリーンに埋められた部屋で、3D用の眼鏡をかけて見るのだ。映像は宇宙空間のような場所で、蛇のうねりの様な巨大な物体が蠢いている。それは実際には全て小さな映像から出来た全体的な「流れ」で、其の流れの中を擬似的に飛び回るように見える。これが非常に面白い。音もその小さな映像の集合体から成る音で、映像は多様だった。ただ一貫性を持った映像なので、遠くからそのうねりを見ると、一つの集合体としてのイメージになる。まぁ見て見ないと判らない類の作品なので、無理に説明しようとしても無理だな。若しエクサンプロバンスに訪れる機会のある方は、是非訪れて欲しい。ユースホステルのすぐ近くだ。

時間もぎりぎりの状態で美術館に入ったので、閉館時刻になって出る。その映像作品以外は、視覚効果に訴えるような作品だった。複数の図形が並んでいて、色が異なって見えるけど実際には同じ色、とかそう云った類だ。ただサイズが半端なくでかい。何と云うか、二十世紀末の匂いがする美術館だった。テクノでサイケでヒッピーでバブリー感じだ。どんな説明だ。

その後ホステルは近いので荷物を取り、駅へ向かい、エクサンプロバンスを発つ。実際、この町はかなり気に入った。住むならモンペリエが一番好いかな、と想っていたのだが、エクサンプロバンスもかなり魅力的だ。モンペリエの好い所はビーチまで結構近く、安くで行けると云う点で、エクサンプロバンスの好い点は、芸術的な活動が活発、と云った所だろうか。若し一軒家が持てるなら、問答無用でエクサンプロバンスだ。学生は無論、モンペリエ。カフェでお茶して夜はバーで、週末はビーチだ。

住みたい場所の夢物語は置いておくとして、マルセイユに到着し、地下鉄を乗り継いでバスへ。バス停に着くと何処にもタイムテーブルが無く、どうなってるんだ!と云う気分で近くに居た若者に聞いてみると「もうバス無いみたい」との事。歩いて行くのか…。とげんなりしながら、近くで同じようにげんなりしていたスーツケース所持の女の子に話しかけてみると、彼女もユースホステルに向かう所だと云う事だった。それっぽいなぁ、と想って話しかけてみたら、正に其の通りだった。

取り敢えず方向が判らないので、近くに居た人に訊いてみる。其の子はフランス人だったので、訊くのは任せる。こう云う時に連れが居ると便利である。

そして大体の方向が判ったと想った時、何とバスが到着。急いでバス停まで戻り、乗ることが出来た。そしてバスに十五分程乗り、ホステル付近に到着。と云うか、結構高い丘だったので、歩いてたら酷いことになってた。

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その後も少し迷ったりしながら、何とかホステルに到着。女の子は彼氏が遅れてくると云う事だったので、其処で別れる。チェックインを済ませ、部屋に。其の時は気付かなかったのだが、どうやら一人部屋らしい。でもベッドが三つある。少し独りになりたかった(オッサンとか来ても厭だし)ので、誰も来ないことを祈りながら眠る。

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このホステルは昔城だったらしい。と云う訳で中の造りが結構豪華だった。当然部屋は普通のホステルだが、玄関からの吹き抜けは非常に好い趣がある。

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夜景も綺麗だった。部屋からじゃなくてシャワールームからだけど。部屋から見えたら最高なのにな。運悪く、僕の部屋からは見えず。

七月八日、記憶の遥か彼方の方で、微かに薫る緑の想い

2009.07.25

とか何とか綺麗に書いて見た所で、早い話がこの日に何をしていたのだか、かなり忘れてしまった、と云うことだ。この日記を書いているのは七月二十四日。無料のFiWiが使えるからと云う理由で入ったマクドのネットは動いておらず、後ろに座った家族連れの団体から子供の五月蝿い泣き声が聞こえる中、書いている。まじうるせええええ!子供は嫌いじゃない方なんだが、五月蝿さにも限度が在る。暴れるな!

何か記憶の欠片でも残っているかしら、と想いノートを開いてみると、こう有った。

・ローマと名付けられ、売られていたトマトは非常に甘みが強く、美味しい。ただ生で食べ続けると、水分のたっぷりと含んでいる筈なのに、喉が渇いて仕方ない。最初の一個目はローマにして、後は大きい、甘みの弱い物の方が良さそうだ。甘みが強過ぎる程のこのトマトを食べていると、内部に在るどろりとした部分が、トマトに於ける血の様に想えて来た。植物の血液、大地の血液だ。力強くて、美味しい。

攻撃的な程甘みの強いトマトを食べていると、植物なのに酷く残酷なことをしている様に感じたのだろう。内部から溢れる紅い汁は、全く以って血液の様である。

この事から考えるに、また朝市を発見し、其処でトマトとパンと、果物を買ったのだろう。確かにトマトが異様なほど甘かったのは、記憶に深く残っている。そう云えばここエキサンプロバンスでは、毎日朝市が何処かで開かれていた。朝市の食べ物は安く、美味しい。

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その後はピカソ展へ行ったのだが、チケット売り場の近くに噴水が有った。イルカの噴水。有名らしい。

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とても…グロテスクです…。

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写真を選んでいるときは「この写真何だっけ?」と想っていたのだが、今想い出した。これはピカソ展へ行ったとき、内部に在る中庭(這入れない)の写真だ。

と云う訳でピカソ展(セザンヌとかも有ったので、名前は違うかも知れない)へ云ったときの雑感。

・キュビズムは物事を把握する上での実験的試みである様に想える。物体がどのように存在し、其れを如何自分達が見ているか、把握しているか、認識しているか。其れを理解するための、実験的作品。それらは突き詰めていくと、デザインのような世界になる。美を追求するために構成を練り上げ、作り上げていく世界、コンポジション、バランス、色彩、何を以ってして美しいと捉えるのか。

・デザインの様な世界であると同時に、物事を正確に描くときにも重要な要素となるキュビズムのベースを持ち、リアリスティックに、ナチュラルに描かれる世界。それがセザンヌの見たかった物だろうか。

・人が見る世界、実体は判然としない。

・人の目で見た世界は二つの点から得た世界であり、限定された波長を得た世界である。其れを脳内で一つのイメージとして認識する。それらを違った角度から捉え、描くのがキュビズムだろうか。見慣れない世界であるから異質に見えるが、其れは脳内に於けるイメージ構成までの違った道程なのかも知れない。

・物体に於ける認識のレベルを最大限に下げ、最も単純な位置から世界を捉える際、其れはどの様にして見えるのだろうか。イメージは印象化され、単純化され、象徴化され、遂には単なる記号へと成り果ててしまうのだろうか。点を捉え、線を捉え、面を捉え、空間を捉える。

・彼が実験を行っていたと云う推測はどうやら正しかったらしい。彼は数々の手法、観点、視覚的表現を使い、此れまでに完成されていた"芸術"をぶち壊す必要が有ったのだ。物事は絶えず流動的であり、変化していないと、腐って死んでしまう。人も然り、世界も然り、そして無論、芸術も然り。

キュビズムの絵は余り好きでは無い。何故か。それは美しいと感じないからだ。ただ、興味深いという想いは非常に強い。ただ、今回の美術展で美しいと感じる必要は無いのではないか、と想う様になった。実験的試みである作品である上、近代芸術となっている世界だ。一般に通用する美しさよりも、個性や好みの世界であり、主観と主観の殴り合いなのだ。

此れまで、有名な画家や芸術家には、何かしら理由が在るのだと想っていた。そしてその理由と云うのは僕の場合、美しさに直結する。何しろ其れが芸術の根底だと想うからだ。ただ実際には、美しいと感じる事の無いものが非常に多かった。其れは何故かと云えば、其処には好みが入り、主観が入り、歴史的背景が入り、イマジネーションやら何やら、諸々が入ってくるからだ。

写実派、印象派までの世界観と云うのは、どちらかと云えば世界其の物に目を向けた作品なのだ。だから一般的に受け入れやすく、美しいと感じやすい。何しろ世界其の物を美しく描くことに費やされたからだ。世界は美しい。それは判り切っている。

その後の芸術に於いては、世界よりも内面に対して目が向けられている様に想う。個人の想い、願い、想像、個性、美意識、自己。そうなれば当然、人に於ける好き嫌いがあるように、作品に於ける好き嫌いも出て来ると云う物だ。非常に単純な事では在るが、本当の意味で理解するまで、少し時間が掛かった。

と、まぁ此れまで芸術なんて勉強した事の無い人間が書いているので、全ては憶測であり、個人の経験からもたらされた一つの結論(終わってないけど)に過ぎない。この旅を終えて日本に帰ったら、一から勉強してみるのも面白いかな、と想った。世間一般的に定義されている「芸術」と、自分個人が感じる「芸術」の違いを見て図るのも、面白そうだ。

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美術展を見た後は、教会を見つけて這入ったらしい。良く見つけるものだな、と他人事のように想ってみる。二週間以上前の自分等、他人に等しいかも知れない。と無意味に想ってみる。

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ステンドグラスから零れ落ちた光が、教会の正面を照らしている。美しかった。

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その後については判然としない。写真も残っていないし、書き留めたことも無い。恐らく少し町をうろうろと歩き回り、疲れた所でホステルに戻り、また夜までネットを使い、二十四時頃に寝たのだろう。

七月七日、美しい町、エクサンプロバンス

2009.07.20

朝、朝食に間に合うよう起きた。のは好いのだが、起き方が余り気分の好い物ではなかった。昨夜、眠る前に同室の人間に挨拶したのだが、朝其の人間に起こされたのだ。何時も通り半覚醒状態でぼんやりとしていると、急に足を触られた。うおっと想い起き上がると、同室の人間だった。朝食が有るから、と云う事だったのだが、起こし方って物が在るだろ、と想いながら、あぁ、ありがとうと云って置く。

考えて見て欲しい、四十台の中年太りのオッサンに、朝足を触られて目覚める感覚を。然も妙にしっとりとしていて(多分太ってるから)、非常に冷たい手である。年頃の女の子でなかったとしても、好い気分はしないだろう。と云うか、気持ち悪い!

と云う訳で、オッサンに気持ち悪いと云うイメージを完全に植えつけた僕は、その後彼に対して冷たい態度で接するのであった。と云うか、妙にフレンドリーなのでゲイなんじゃないかと想った次第である。若しそうだとしたら、同じ部屋で寝ないといけないので、身に危険が及びそうなものである。他の人が居れば好いが、割と暇そうなホステルだったので、他の人間が居ないと云う可能性も在る…。

まぁ結果的に無事だったので好かったのだが、それにしても厭にフレンドリーだった。若しかしたら此れまで一緒に居た人間(ベルギー少女達やら、ドイツ人やらメキシコ人やら)が同年代で好い人間ばかりだったので、急にオッサンが現れて拒絶してしまったのかも知れない。仕方ない。取り敢えず、気持ち悪い。何か知らんが香水の様な物をつけまくるお蔭で部屋全体が臭いし。

オッサンの話は如何でも好い、町の話をする。

取り敢えず町まで歩いて向かう。やはり荷物が無いと相当楽である。

町に着いてうろうろとしていると、小さなギャラリーを発見。EXPOと書かれているので、這入ってみることに。

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可愛らしい通路。何だか何処か京都っぽい気が。

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中に這入ると、お爺さんが独り、椅子に腰掛けて新聞を読んでいた。如何にも芸術家っぽい感じである。

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部屋自体の雰囲気が好かった。飾られている絵を見ていると、お爺さんがやってきて、何処で描いた絵か教えてくれた。彼が描いた絵らしい。

その後暫く、お爺さんと話をする。四年程前、一時期京都に居たらしい。世界中色んな所で絵を描いて来たそうだ。中国だったり、日本だったり、フランスだったり。

どういった話をしたか、詳しい所は忘れてしまった。ただお爺さんが「街を見るときは細部を見ないといけない。扉だったり、壁だったり、色んな所に面白いものが在るから。」と云う様な事を云っていた。確かに、其の通りである。

無論、此れまでも出来るだけ色々な物に目を留めていたのだが、此処最近はヨーロッパ其の物に慣れてしまった所為か、普通に歩く事が多かったように想う。ただ、其れだと面白い物は見つからないのだ。全体に、細部に、至る所に於いて感受性豊かに、世界其の物を見据える必要が在る。そうでない限りこの世は詰まらないし、退屈になってしまう。特に旅行に来て、普段とは違う物が見れる好い機会なのだ、其れを見ないで、何を見ると云うのか。

再認識、と云う形だろうか。改めて初心を忘れずに居ようと思った。

その後は街をぶらぶらと。

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うろうろしていると、朝市を発見。丁度腹も減っていたので、パンを一本、トマトと桃を二個ずつ購入。其れでも?3以下なので、安い。

フランスで一番安い水を買い、トマトを洗ってパンと一緒に食べる。デザート代わりに桃。よく熟れているのも美味しいが、少し酸味が在る位の桃が好きだ。果物を売っていると、ついつい匂いを嗅ぎたくなる。爽やかな果実の匂い程、好きな匂いは無い。

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変わった建物。

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市街地周辺。

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胃も満ち足りたので町をうろうろ。ていうか右下のおばさん怪訝そうな顔してるなぁ。

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ドアノッカー。とでも呼ぶのだろうか。

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変わった内部構造をしている。

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門が綺麗だ。

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建物の装飾も、少し変わっている。

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消え入りそうな細い道。

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教会。確かこの時は閉まっていて這入れなかった。

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古くからありそうな公園。

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そして気付けば町の端へ。プロバンスの家々が建ち並ぶ場所に出た。確かに美しい。

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写真では判り難いが、繁みの奥に白い壁と、青い窓が見える。非常に綺麗だった。

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空は青い。緑も多い。好い町だ。

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プロバンスの景色には、紅い花がよく似合う。

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気付くと丘を登っていた。ただ、景色は余り見えない。

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何が在るのかと想ったら、普通の家だった。恐ろしい町である。

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家々は、写真だといまいち好さが判り難い。ただ、本当に綺麗だった。

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この景色を見たとき、あ、スケッチしよう、と何となく想った。写真で写すには余りにも印象が違うのだ。手前に立つ木々と、奥に見える山と、路が奥に伸びていく様。写真では、どうやっても表しきれない気がした。

人間の目は機械に比べると高性能過ぎて、写真等では表し切れない場合が多い。非常に広い視野角を持っているのに、意識すれば遠くの物まで捉えることが出来たり、明るさに差が有ったとしてもきちんと見ることが出来たり、暗い所でも情景の把握が可能だ。意識によって左右されやすいという点は在るが、だからこそ人は美しい物を作り上げたりする事に必死なのかも知れない。

その後は何となくスケッチを取り続けた。

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少しだけ町が見える。

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かなり暑い。

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好い加減歩き疲れたので、適当な所で切り上げる事に。実際、かなりの距離を歩いていた。

プロバンスは美しい。判然とそう云う事が出来る。写真では十分の一も伝わらないのが悔しい。青い空、緑と花に満ち溢れた町並み、綺麗な家々、色合い、雰囲気、空気、風。プロバンスには夏が似合う。高過ぎるほど突き抜けた空が、真っ白な雲が似合う。

最後の写真はセザンヌ通り、の入り口。気付くと其処に辿り着いていた。プロバンスは多くの画家が愛したと云う場所だが、その理由が判る気がした。太陽が美しく町を照らし、景色が輝いていて居る。

後日セザンヌのアトリエへ行った時に知った事なのだが、スケッチをとった山は、セザンヌお気に入りの題材らしい。素人でも好い題材だと想える程なので、やはりと云う感じだ。写真では山は小さく見えるが、実際には大きく佇んでいる。美しい緑と青い空に挟まれた、岩の塊のような山は、とても魅力的だ。

その後はまた町をうろうろと歩き、気付くとこんな場所に出た。

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高速道路か何かなのだが、側面が完全にツタで覆われている。複数の種類を使っていて、模様の様になっていて綺麗だ。ツタの這う壁は好きなのだが、此処まで綺麗になっているのは始めて見た。他の場所でも在るのだろうか。

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町の外側を沿うようにして、北橋から南西へと向かっていたのだが、その後また街の中心部へ向かうようにして歩く。綺麗なショッピングセンターがあった。

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立ち寄った教会。

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本当にレンズフードの重要性を認識し始めた。

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何の建物だ。これは。

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今日の初めに訪れて、閉まっていたので這入れなかった教会。この時間は空いていた。

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美しい回廊。

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両側にパイプオルガンがある。豪華だ。

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多少の手ブレはご愛嬌。と云うか、三脚無し、手ブレ補正無し、シャッタースピードは1/1.6secから1secで撮影しているので、かなり頑張ってる方だと想う。フィルムだと1/60以下で撮るのは無謀と云えるが、デジタルはやり直しが利くのでかなり頑張れる。最近は大分慣れてきたのでやり直しは少ないが、其れでもブレる時はブレる。と云うか、実際には全部ちょっとだけブレている。とは云え三脚やら一脚やらを持ち歩くのも面倒なので、きちんと撮る気は無い。

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適当に町の写真と、また別の教会の写真。天井に在るドームが楕円形だった。

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見つけた展示に這入ってみる。こう云った小さい展示の場合、ギャラリーのオーナーやら作品の製作者やらがフレンドリーに話し掛けて来る事が多い。そう云う人々と話をするのも面白いものだ。

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エクサンプロバンスは噴水が多い。街の至る所に噴水が在る。パンフレットか何かで百近く在るとか何とか読んだ気がする。気の所為かも知れないが、多いのは確かだ。

流石に歩き疲れたので、ホステルへと戻ることに。夕飯は何を食べたか忘れてしまった。適当に済ませたのだろう。ホステルに戻ってからは、ロビーでネットを使う。有料だが、一度払えば其れきりでずっと使えるので、有り難い方だと云える。

適当な所で切り上げ、部屋に戻って眠ることにする。取り敢えず香水臭いので窓を全開にして寝た。