朝、何時に起きたかは定かでないが、徹夜明けなので早くは無い。が、一番最初に撮った写真が十一時過ぎなので、其れ程遅くまで寝ていた訳でも無さそうだ。
取り敢えずホステルを出て、何処へ行くか考える。街中にある観光スポットは大抵訪れた筈なので、如何するか。と考えていると、丘の上に有る教会が目に入った。ホステルを出たすぐの場所から眺めることが出来るのだが、見た目は丸でディズニーランドの城である。夜になるとライトアップされて、綺麗に映る。名前はサクレカールとなっていたので、パリにあったサクレカール寺院を想い出し、きっと素敵な場所に違いない!と云う想い込みの上、其処に向けて出発することにした。街の地図にも載っている範囲なので、其処まで遠くないだろう、と。観覧車的な物も見えるのが少し気になるが、まぁ問題ないだろう。(フラグ)

ぶらぶらと街中の丘を登りながら、写真を撮る。荷物が無いと坂でも大して辛くないのが好い。丘を登っていくと、少し変わったような見た目の家々が並んでいた。大抵丘の上に住んでいるのは金持ちなので、そう云うことなんだろうな、と想った。
丘の頂上までは路面電車も走っている。途中で山を登るような形になるため、乗り換えるとケーブルカーになる。取り敢えず見えて居る物は歩いて辿り着けるという考えの元、歩いて目指すことに。歩くのは嫌いじゃない。
家を眺めたりしながら、道路沿いに歩いて行く。
ずらりと並んだ同じような家。視覚的には割と面白いのだが、写真だとつまらない。
途中でマウンテンバイクに乗った人々とすれ違った。かなりの数が居たので、そう云った人間には有名なのかも知れない。
好い家だな、と想った。
高くなってきた。
この辺りから道路ではなく、地道を歩く。と云うか、マウンテンバイク用になっている感じだった。
景色の好い中、歩いて行く。
判りにくいが、人型のような樹を見つけた。意図的か?と想うほど好い形になっている。トレントですね、判ります。
まぁ、汗だくですよね。当然。
お分かり頂けるだろうか。中央に小さく見えるのが目的地である。近いようで遠い。
写真だとさらりとしているが、此処までで二時間歩いている。整備された路に出た途端人が増えたので、大抵は違う道から行くのかも知れない。何しろやたらと曲がりくねった路だった。
更に高くなりました。
前を歩いていた人間についていくと、なにやら違う塔の場所に出た。恐らく電波等か何かだ。目指している場所は、ちょっと違う。因みに、そこの少し前に分岐点が在ったのだが、其処で正しい路を選んでいれば後十分で着いた。
因みに此処まで来るかなり前の段階から、ジェットコースターの音が聞こえていた。きゃーだのわーだの聞こえてくる。明らかに、遊園地である。
とは云え途中まで来て引き返すなど言語道断。きっと素晴らしい教会が見れる筈さ!と想いながら歩いて行く。自己説得と云う奴である。
少し横を見ると、空中散歩(?)出来るような乗り物が見える。アトラクションの内部を歩いているに等しい。家々は綺麗だった。
太陽は燦々と照り付ける。
蔦。
着いた!到着までに掛かった時間は三時間弱。歩くのは早い方なので、結構遠いんだね、と想った。
おー、結構豪華。と想う。
そしてメインに目指していた教会へ。おお!おお?と云う感じで、何と云うか、非常に新しい気が…。
内部。何か、凄い新しい…。て云うか、結婚式場…?普段教会として使われてる…?
天井。
んー、何て云うか。
すげぇ微妙。
別にシンプルで新しいのが駄目とかではなく、単純に、面白くない。外のデコレーションはある程度確りしている物の、新しすぎて目に愉しくない。で、中は如何なのかと云えば非常にモダンな作りで、デコレティブな要素が殆ど無い。シンプルならシンプルで其れなりの美しさがあるとは想うんだが、期待していた物と違い過ぎた。せめて新しいならアールデコ調のデザインだとかも使っていればまた好いんだが、そう云った要素も無い。本当に「最近出来た結婚式の為の教会」と云う感じだった。
若しかしたら最近になって全面改装されただけかも知れないし、シンプルな造りには意味が在るのかも知れない。ただ、スペインの教会で興味深いのは其の独特な建築様式であったり、デコレティブな数々だったりするので、そう云った意味でこの教会はあんまり面白くなかった。と云うよりかは、先に見た教会の方がよっぽど面白かった。と云うよりかは、わざわざ訪れる価値が無い様に想う。
とまぁ云ってしまっても誰に対してかは判らないが申し訳ないので、遊園地行く序でに訪れるんなら好いんじゃないですか、と云う感じだ。エレベーターで教会の上にも登れるみたいだし、そうすればきっと景色は綺麗だと思う。シエスタの時間だったから閉まってたけど。登れなかったけど。
ま、そんなことも在るかと想い、すぐに街の方へ行くことに。バスに乗り、中心部まで向かう。
街に着き、恐らく適当に昼食を採る。そう言えばVodafoneのSIMを購入したのはこの日だったかも知れない。漸く連絡を取れるようになったので、日本からの知り合いにtext(ショートメッセージ、こっちの携帯は大抵メールとか使えない。日本の携帯はガラパゴス化しているが、技術的には相当先進的。メールは標準だしテレビも見れるしネットも出来るし3Dゲームも出来たりするよ、と云うと驚かれる。)だけ送っておく。
その後如何するか考えた末、ガウディの建築物、這入っておくかー、と云う気分になったので、バトリョ邸(Casa Batillo)へ向かうことに。
ふらふら歩いて到着。列は大して長くないが、値段が高い。学生料金で?13。何時も何時も嘘吐いてすいません。この旅が終わればちゃんと払います…。と心の中で謝りながら這入る。
因みにこの時、すぐ近くに並んでいた日本人の方に声を掛けられた。結構長い間旅行しているらしい。世界一周のチケットか何かで、ぐるりと回っている、と云っていた気がする。僕は完全にヨーロッパのみで一年間を過ごす心算なのだが、そう云う旅の仕方は実は珍しいみたいだ。実際の所、世界一周する予算がない、と云う所も有るのだが、其れよりもヨーロッパと云う国々に対する興味が大きいからだろうか。
日本と云う国は、近代的に云うとヨーロッパとの繋がりが強い様に想う。当然中国等の国とは大昔から交流が在る物の、近代的な芸術や文化と云う点に於いては、フランスやらの国々との交流が頻繁なイメージが在るのだ。文化的な感覚として、ヨーロッパと日本とはかなり近い位置にあるんじゃないかな、と想っている。因みに僕は日本が大好きなので日本の文化レベルは世界有数の高さを誇ると想っています。と云うかもう一番なんじゃないかと想っています。意見の在る方はどうぞご連絡を。
結果から云うと、金額の価値はあるように感じた。高いのは確かだが、中は素晴らしい。と云うか、中こそ素晴らしい。
曲線を主体としたデザインだけでなく、自然で在る事を最大の重要性として設計されている。
ガウディの考えでは、直線的である事や、流れを遮断する事、不調和と云った事は自然でないのだ。
人間其の物が直線的ではなく、丸みを帯びていて、非対称である。住む環境其の者も同じ様な流れを汲んでいれば、調和的となる。
戸棚や扉、暖炉と云った全てのものが、ガウディによってデザインされた「作品」だ。
空気の流れをコントロールする為の仕組みが上手に出来ている。


人工的な光に頼るのではなく、太陽の光を取り入れる事の出来る造りになっている。大きな天井から取り入れられた光は、建物内部を照らす。
照明のデザインも美しい。彼のデザインした物の殆どは自然に在る者をモチーフとしている。バトリョ邸のイメージは、見ての通り、海だ。
大きな扉さえも緩やかな曲線を帯びていて、立体的な造りになっている。高い技術を要するのは明らかだが、非常に美しい。
空気を取り入れる木製の仕切り。
装飾もシンプルながら美しい。

天井の装飾。
空間的な美意識。
バトリョ邸背面。
エレベーターや吹き抜けとの仕切りは、揺らぎのあるガラスで作られている。
吹き抜け。
各部屋への扉。こんなアパートに住みたいものだ。
美しい。
屋根裏の空間。以前はここまで公開されていなかったらしい。
屋根裏の通路は、空気と光だけが入るようになっている。
別室の天井にある照明。これもガウディなのかな。
人が多いとこう云う写真を撮るのが一番苦労する。
一秒遅かった所為で残念なことに…。流曲線の綺麗な流れが撮れるなー、と想ったのだが、取り敢えず人が多いから無理。尚且つ其れほど明るさが在る訳でもないので、時々ぶれる。もう諦めた。
写真を撮ることは撮影する人間の単なるエゴで在って、其の写真に写りこんでしまう人々がいることは避けられない。そして其の人々に対して文句を云うなんて事は以ての外な訳だが、何もこのタイミングで来なくても…。と想う事は在る。
僕が一番嫌いな人間は、写真を撮っている時に人が写り込んで、明らかに厭そうな顔をしたり、舌打ちする奴等。アホか、と云ってやりたい。お前様は何様ですか?プロ様ですか?みんな好き勝手にうろうろするのは当然の自由であって、それを写真を撮るからと云う理由であからさまに気分を損ねた顔をするのは、非常に醜い。その気持ちは非常に判るが、其処は大人しく次のチャンスを待つしかないのだ。若しくは人を入れた上で上手に撮れる様になれ!と、云いたい。僕は人を写すのが大の苦手なので、人が居なくなるまで待つのです。写真を撮ろうとしている僕の前を横切る人が居る場合は、待たせるのではなくカメラを下に向けるのです。歩行者優先、エゴは後回し。
後はカメラを向ける事が、時々暴力的な意味を持つと云う事も判って貰いたい物だ。撮られたくない人も居るし、撮られたくない場面も在る。以前も一度書いたが、教会で祈りを捧げている人にカメラを向けるような真似は、余程でない限り止めて貰いたいと想う訳だ。フラッシュの高い暴力性も含めて。
とまぁ、こう云う事を書く度に、頭が固いんだろうな、と想う。変な所で生真面目で、大抵の処で適当な人間なんです。
さて、如何でも好い話は如何でも好い。美しい物の話をする。
屋上に在るスペースも、独特。
煙突だそうだ。
ガウディの凄い所は、こう云った装飾の類を、捨てられる筈だった廃材を再利用している点にある。砕いた陶器(になるのか?)を組み合わせて、デコレーションに利用する。彼は百年前から、エコな感覚を持っていたのだろうか。自然に対する敬意、そう云う物を感じる。
ひっそりと存在した螺旋階段。何処へ続くのだろうか。立ち入り禁止。
ゲストブックに春永名義で何か書こうかとも想ったのだが、小さな女の子達がわんさか居て中々退いてくれない内に萎えて辞めた。時間が経つと如何でも好くなる人間です。あ、待つのめんどくせ。てなる。
小さなベランダ。
然しまぁ、空間其の物が芸術作品となっているので、何処を適当に切り取ったとしても美しい。
出口への路。
と云う訳で、バトリョ邸は非常に美しかった。建築的な美しさもそうなのだが、何よりもガウディのコンセプトが気に入った。入場料は少し高いが、オーディオガイドも付いてくるので、好いのでは無いだろうか。と云うか、結構維持費が掛かりそうな物なので、金額的には仕方ないのかも知れない。
その後は頭の中でぐるぐると色々な事を考えながらホステルまで戻る。
そう云えばホステルの写真を撮っていなかったな、と想い撮影。かなりスパニッシュな装飾(だと勝手に想っている)の回廊的な部分がある。昔のお屋敷を使ってるような形だ。
この日のメモを見ると「ケバブを探すが見付からず。パエリヤを食べたら不味かった」と書かれていた。そう云えば、ホステルに戻る前か昼にか街をうろうろして、安いパエリヤを出している店に這入ったら不味かったのを想い出した。今の所、一番美味しいパエリヤはフランス、エクサンプロバンスの朝市で食べたパエリヤである。何とも。
日本に居た時の知り合いと連絡が付いたので、街へ向かうことに。クラブへ行くと云う事だったので、今回はちゃんと靴を穿き、ジーンズを履き、襟の付いたシャツを着て出掛ける。まぁ、バルセロナは夜涼しいから好いものの、他のスペインの街でも同じなのだろうか?暑い中暑い格好をして踊りに出掛けるとは、非常にナンセンスに想えて仕方ない。汚い格好した奴がクラブに居るのも問題なのは判るが。
余談だが、日本なら問題無いのは多分みんなある程度綺麗な格好をして訪れるからかな、と想った。確かにスペインで服装を自由にしてしまうと、おいおいそんな格好で出てくんなよ、って云う奴もきっと現れるからだ。日本人はホント綺麗な服装してるよな、と時々想う時が在る。
二十三時頃に街へ出て、少し早めに着いて、腹が減っていたのでハンバーガーを食べる。ヨーロッパに来てからマクドナルドへ行く率が高くなって非常に悲しい。因みに日本ではマクドナルドへ行く事は無い。何の肉か判らない様な肉を食う位なら、もう少し金を出して普通の物を食べる。あとマーケティングのやり口が汚いから嫌いだ。
とは云え、大して他の店も知らないヨーロッパに居れば、どうしてもお世話になって仕舞うと云う物だ。何しろ何処にでも在るし、料金は判然としているし、食べれない味の物は出て来ない。
後ほど、マクドナルドよりも適当なカフェバーで食べた方が安いと気づくのだが、この時はまだ知らない。
その後日本からの知人と落ち合う。面子は僕と彼、イタリア人一人、あとブルガリアからの女の子が二人。途中でよく判らない間に合流していたチェコの女の子も一人加わって、六人で向かう。
スペイン語は判らないなりに、聞いているのは面白い。フランス語よりも聞き取りは圧倒的に簡単だ。発音もどちらかと云うとローマ字読みに近い物があるので、後は頭の中で英語の単語と照らし合わせてやれば、ほんの少しだけ判る。知識的にはフランス語よりもスペイン語のほうが少ないのだが、理解出来ると言う点に於いては、スペイン語の方が理解しやすいと感じている。フランス語は、聞き取りが本当に難しい。子音を殆ど省く所為で、何を云っても同じ様に聞こえてしまう時が在るのだ。ただ、音として好きなのはフランス語だ。響きが美しく、流れが好い。スペイン語のラテン的なリズムも好いのだが、好みとしては、フランス語だな、と想う。
ただ、世界的にスペイン語を話せた方が使える機会は多いと云う、何とも上手く行かない物である。好みである物がメジャーでなくて、困る場合もある。ま、どっちも話せないからどうでも好いんだけど!
其の後は途中で寄ったバーが一杯だったり、道で売ってるビールを買って呑んだり。二時過ぎ頃だったか、クラブへ行って朝まで。地球の歩き方とかに載ってるクラブらしい。ビキニ、だったか何だか。?15でエントランス兼ドリンク二杯分のチケットを買い、中で呑む。レッドブルとウォッカだったか。レッドブルはニュージーランドに居た時好く飲んだなぁ、と想った。スタミナドリンクとスポーツドリンクを併せた様な奴なので、酒と一緒に呑むとアルコールが好く回る。とは云え飲んだ量もしれているので、軽く好い気分になりながら、音楽を聴いて、踊る。
朝方、何時頃に出たか忘れた。恐らく五時か六時か。流石に昨日も朝まで出ていた上、一日中歩き回った上でまた朝までだったので、最後の方は記憶が薄い。