八月十日、セビリア発、ブリュッセル着、学生の街ゲント

2009.09.03

早朝、寧ろ深夜、四時半に起きる。本来は四時に起きる心算だったので、二分で支度を済ませ外へ。バス停を探すも、時間的に危うそうだったので諦めてタクシーを拾う。「空港まで幾らくらい?」と訊くと「?23くらいだね」と云われた。少し高いな、と想いながらも、飛行機を逃すよりマシなのでタクシーで空港へ。

そして空港に着くと「?23ね」と云われた。因みにこのオッサン、メーターを一切触っていない。即ち、言い値である。「マジかよ…、絶対ボッタクリだろこのオッサン…。」と想いながらも、乗る前に確認しなかった自分の負けである。て云うか、タクシーとか公共の足じゃないの。アジアの経済途上国じゃ無いんだから、足元見て金額請求とかヨーロッパで止めて欲しいんですけど…。其の辺りはスペインと云う国を理解する必要が有ったのかも知れない。因みに乗った時間の感覚からして、?15以下が妥当じゃないかな、と想った。

何はともあれ時間内に空港に着き、チェックインを済ませ、軽く朝食にサンドイッチを購入。食べながら出発まで待つ。

時間になり、飛行機に乗り込み、直ぐに眠った。フライトは三時間だったのだが、体感時間は十分である。

飛行機を降り、荷物を取り、ゲートを潜り外へ。するとフランスで出会ったベルギー少女達三人が待っていてくれた。事前にメールで空港まで来てくれるとは聞いていたのだが、まさか三人とも来てくれるとは想っていなかったので、嬉しい。

電車に乗り、一路ゲントへ。彼等の内二人はここの学生で、もう一人の先生は少し前までここで勉強していたのだ。と云う訳で、所謂ホームタウン的な感じである。彼らの実家は少し離れた小さな街に在るのだが、学校がある時はゲントに住んでいるらしい。

取り敢えず昼食にする為、サンドイッチを購入。公園に座り四人で食べる。フランス、アールに居た時を想い出す。三人とも非常に歓迎してくれていたので、嬉しい気持ちになる。

その後、彼らの内一人(モデルになってた子)は帰ってしまった。どうも丁度試験のある時期らしく、家に帰って勉強しないといけないのだとか。大学になって尚、教育ママらしい。大変だなぁ、と云うかわざわざ来てくれてありがとうと想いながら、別れる。

路面電車に乗り、もう一人(写真撮ってた子)の家に向かう。彼女は彼氏と一緒にゲントに住んでいると云う事で、最初の二泊は其処に泊めて貰う事になっていたのだ。

彼女の家に到着し、荷物を置き、暫くすると彼氏が帰って来た。非常に人の良さそうな感じだったので、安心して話をする事が出来た。と云うか、彼等が住んでいるのはアパートと云うか家であり、部屋も五部屋位ある。少し前までもう一人住んでいたらしいのだが、その子が出て行ったので、その部屋を使わせて貰う事になった。

その後四人で街へ出る。

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景観の保護されている地域を通り、街の中心部まで。

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美しいのだが、実は川沿いに並ぶ建物は、最近新しく造られた物らしい。昔からの見た目を取り戻す為、復元と言った形で建造されたらしい。綺麗だから好いよね、と想った。

街を歩き回り、城に這入る。

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彼等の内二人は一度も這入った事が無いと云っていた。やはり其の辺り、世界共通なのだろうか。何時でも行けると想ったら、中々行かない物なのだ。

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城から広場が見える。

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この城、昔は牢獄や拷問部屋として使われた歴史もあるらしい。拷問用具を展示した部屋もあった。

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また街を歩く。

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綺麗な中庭。這入ることは出来なかった。

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立派な建物の並ぶ広場。

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面白い造りをしている。ヌーボーですね。

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こちら、ベルギーで最も醜い建造物、のトップスリーに選ばれたらしい(本当かどうかは知らない)「ブックタワー」で御座います。其の名の通り中には書物が山の様に在るのだとか。

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ゲントは非常に好い感じの街だった。学生の街と云う事で街には若者が多いし、カフェやバーも多い。学生の街と云うのは何処か他の街とは違い、活気があって愉しい。住むには丁度良さそうな街だなぁ、と感じた。フランスだとモンペリエ、スペインだとサラマンカ、ベルギーだとゲント、日本だと京都。学生の街と云う点に於いては他にも色々と在るだろうが、此れまでに訪れた学生の街で、住みたくないと想った事は無い。不思議な物だ。後日訪れるルーベンと云うベルギーの町も学生の町なのだが、住むには良さそうだと感じた。

十八時頃家に戻ると、家主の彼が夕飯を準備していた。夕飯は、恐らくビーフストロガノフ。ビールを入れて煮込むらしいが、入れるビールはテラピストビールだった。日本だと高くて普通には使えんだろうなぁ、と想う。こっちだとシメイビールも33clボトルで?1とかなので、幾らでも呑めるのだ。

夕飯と一緒にベルギービール。やはり美味い。今までで恐らく三十種類程呑んだのだが、今から想うと全て名前と味の感想をメモして置けば好かったなぁ。次にベルギーへ帰ってくる三ヶ月後、好みのビールだけでもメモして置こうと想う。

夕飯を食べた後は、話しをしたり、彼等とその友達の写真を見たり。夜は十二時頃に寝た。

八月九日、大聖堂、美術館、散歩

2009.09.03

朝、十一時頃起床。街に出て、一先ず大聖堂を見ることに。確か大聖堂内は撮影禁止だったので、写真は撮っていない。

街をうろうろと歩き回り、教会を見つけて這入る。

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その後暫くして、美術館を見つけたので這入る。

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確か此れは美術館の中庭だった気が…。内部は撮影禁止だったのか、写真を撮っていない。が、記憶の中では何か撮っていた気が…。非常に曖昧である。Joaquin Sorollaの絵も有ったらしいのだが、閉館(憎きシエスタめ…!)の為見る事が出来ず。Gustave Bacrisas, Gonzalo Bilbao, Jose Arpa、気になった画家達。

その後も暫く歩いていたのだが、暑くて堪らずホステルに戻る。何しろ日曜日なので、店は何処も閉まっているし、街は丸で廃墟の様なのだ。

とは云え戻ってもすることは無いので、また適当にアニメを見る。うみねこの鳴く頃に。最近漸くひぐらし解の最後の章を見た。最後だけ見てなかったので、スッキリした。

十八時頃、少し外へ出て、気分転換に散歩する。

・人間の創り出す全ての物は、この世に於けるエネルギーの変換だと云える。物質を取り込み、情報を取り込み、組み合わせ、排出して行く。物質を作り変え、意味を注ぎ込み、自己を投影する。世界は変化し続ける。其の長い時の中で、自分が何を残したいと想うのか。

そんな事を思い描きながら街を、何処へ行くのか判らないまま歩き続けた。

ホステルに戻り、音楽を聴いていると少し寝てしまう。二十一時頃に再度寝るが、眠ることが出来ず、結局一時頃に寝た。

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八月八日、セビリア、スペイン広場

2009.09.03

朝、早めにホステルを出る。具体的な時間は忘れた。バス停に着くと長蛇の列が出来ていたので、クレジットで買えるベンダーを使う。凡そ?20。距離的にはマドリからコルドバの方が有る気がするのだが、此方の方が高い。非効率的な回り方をした所為だろうか。仕方ない。

セビリアに着くも、観光案内所も何も無い。バス停にも地図が置かれていない。仕方ないので取り敢えず市街地の方へと歩いて行く。つい先週、セビリアでは気温が四十八度に達していたらしいが、僕が訪れた時は其処まで酷くなく、コルドバの方が暑かった。その時期がこの夏一番の暑さだったのだろうか。これ以上暑くなるのであれば、死んでしまう。

ホステルを探すも、中々見付からない。途中公園のベンチに座り休んでいるときに、隣に座ったお爺さんに聞いてみるも、判らず。取り敢えず観光案内所の場所だけ教えて貰う。

その後は暫くそのお爺さんと話をしていた。イギリス出身らしいが、十九の時に家を飛び出し、アメリカへ一人乗り込んだらしい。仕事をして、そこそこの役職に就くも、自分が本当に何をしたかったのだか、判らなくなったらしい。そこで車やら家やら全部を売り払って、バスとヒッチハイクで南アメリカへ旅立ったのだとか。その後も紆余曲折を経て、今はセビリアに住んでいるらしい。

爺さんは云った「君は正しい選択をした。若いうちに旅に出て、色々な人と出会い、色々な物を見る。それはとても素晴らしいことだ。君は私の様な年寄りに出合ったと云う事を、きっと忘れない。街を歩いて、世界を見て、人を見て、それらはずっと、君と共に有る。」書いた通りに云った訳ではないが、そう云う内容の話をした。

正にその通りだと、僕は想う。この旅を始めて、今(執筆時)で三ヶ月、丁度九十日が経過した。「たった」九十日である。その間に、僕はどれ程の人々と出会っただろうか。

同じ様に旅をしている人間。一日しか話さなくても、好い友達だと想える様な奴も居る。偶然目的地が一緒で、暫く一緒に旅をした奴も居る。出会ってほんの数時間だというのに、其々が胸に抱く想いを語り合った奴らも居る。旅先で出会い、彼らの地元を訪れた時、昔からの親友のように扱ってくれる奴らが居る。

街で出会う人々。無償の優しさを分けてくれた人々が居る。人生の先輩として、話をしてくれる人々が居る。異国から来た旅人を、温かく見守ってくれる人々が居る。

ほんの数秒の会話から、何日にも渡る会話まで。下らない話題から、想いの内まで。

きっと中には、其の内忘れてしまう事も在るだろう。忘れてしまう人々も居るだろう。ただ、忘れたとしても、それらの想いは僕の中に在ると、僕は信じている。人間は対話を行い、会話を行い、情報を共有し、感情、感動を共有し、其々が其々の中に、無限に生きる様にして生を繋げて行くのだと想っている。僕は彼等に影響を与え、彼等は僕に影響を与える。そしてその連鎖が止まる事は、決して無い。

人生の糧として、知識として、人に於ける根本としての情報として。

人々に出会い、世界を見る。人間と云う種族が此れまでに築き上げてきた物と、此れから築き上げていく物を見る。僕が見ている世界が、例え限られた世界だとしても、知り続ける意思が大切なのだ。

人が何処に神秘と真理を見出すか、其れは其の人の自由だ。僕は芸術、美術、建築、人々が美を追求し続けている世界に真理を見出す。だからアートを見たいと想うのだ。そして世界は、アート其の物だ。街を見る、世界を見る。其れは自然其の物であって、人間其の物だ。

人々は何かを作り続ける。具現的に存在する物質、エネルギーを使い、意思と云う概念的なエネルギーを以ってして物質を変化させる。そして意思を持って形作られた物体を見ることに因って、彼等が其の時に想い描いた「何か」が見える気がするのだ。アートとは世界其の物で、人間其の物だ。だから素晴らしいと、僕は考える。

話が飛躍している様に見えるが、自分の中でそれらの事は全て繋がりを持っている。物質的な事柄以外に存在する、概念的な精神や意思と云った世界。人々との繋がりと、アート、世界其の物は、僕にとって何の違いも無い。

こう云う考えは何と云うのだろうか?きっと同じ様な事を考えた人間も居る筈だが、勉学に疎い僕は知らない。

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休憩がてらに写真でも。

その後どうやってホステルを見つけたのだか、余り定かでない。街にある地図でも見たのだろうか。兎に角、何とかホステルに到着。

が、其処で問題発生。僕はネット上から予約を行ったのだが、其の予約が無い、と云われてしまった。幸い部屋は空いている物の、僕の見ていた情報とは全く違う条件だった。どうやら普通のホテルらしく、一人部屋が?35するらしい。ウヴォェ、と云う感じである。高いし。然も汚いし。Perpignanで泊ったホテルと同じ値段の癖にあっちの方がよっぽど好いぞ!と想っていると、?20にしてくれると云う事だった。ネット上だと?15で、個室じゃなくて相部屋の筈なんだけど…。と想いながらも、他のホステルは全て埋まっていたので、其処に泊ることに。一泊だけして、二泊目は他のホステルに移ろうかとも考えたのだが、めんどくせぇ!と云う気分になってしまったので、結局二泊した。

然しまぁ、個室は好いのだが、部屋は汚いしトイレシャワーは共用で、然もユースホステルの方が綺麗と云う有様だった。他が埋まっているので仕方ないが…。と想いながら、取り敢えず荷物を残して外へ。

と云うわけで「HostelClub」と云う名のサイトの情報は今後信頼しないことにした。予約の時にチャージも?3程取られた筈だが、ほぼ確実に返って来ないし。余程困った時だけにしようと想う。

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ぶらぶらと街を歩いて、旧市街地を見て回ったのだが、今一面白くなかった。コルドバ、グラナダと見た後だったので、見劣りしてしまったのかも知れない。写真はスペイン広場(Plaza de Espana)マドリッドのスペイン広場よりも相当豪華なのだが、街の規模と広場の規模は関係ないらしい。

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あ、そう云えばこの空、雲があるな、と想った。基本的にスペインの空は雲一つ無い空ばかりだったので少し退屈だったのだが、セビリアは偶然か雲がある。雲の無い空は、星のない夜空の様だと想う。何処か味気ない。

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然し豪華なものである。

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大聖堂。この時は既に閉まっていた。

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何だか城らしき建物も有ったのだが、今一気分が乗らず這入らなかった。多分暑くて疲れてたんだろうと。

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オレンジジュース、で御座いますね。畏まりました。

ホステルを探すために街を歩きまわった所為か、妙な疲れがあったのでホステルに戻る。部屋で何をするかなー、と考えた末、「RD潜脳調査室」を見る事にした。一度テレビ放映を見た時に「ヒロイン丸いなオイ」と云う感想のみを持って終わったのだが、IGだから面白いだろう!と云う事で見てみる事に。攻殻機動隊よりも後の時代、パラレルワールド的な形らしく繋がりは無いが、似たような世界観がある。好きだけど、ヒロインが海でだいぶする時、実写を使うのは止めて欲しかった…。下手に金が有ると駄目ですね。海と意識世界を繋げて考えたり、面白いなぁ、と想う。

結局遅くまで起きていた。三時頃に眠る。