七月二十五日、崖の町クエンカ、首都マドリッド

2009.08.21

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朝、六時頃に起き、まだ日も昇り切らない内に駅へと向かう。

駅に着き、チケットを購入。流石に朝早くは人が居らず、並ぶ必要も無い。市内の駅ではなく、少し離れた場所からの出発なので、其処までは地下鉄で向かう。

街外れの駅に着き、電車を待つ。三十分程余裕を持って待つ事が出来た。慌てて行動するのは嫌いだ。

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電車は山の中を進む。線路は一本。途中の駅で擦れ違いながら、クエンカへと進む。

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田舎になると、駅が駅として存在していない。

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標高が高いのだろうか、植物は短く、高山性の植物のように見えた。地面は乾いていて、石が多い。

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一瞬「山田?」と想った。

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ぽつぽつ停まる。

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広大な土地。電車から撮ると如何しても手やら電灯やらが反射で写ってしまうのが厭だ。

・電車の揺れが酷い。山を抜け、平野に出た。非常に広い空間に、ぽつんと、今にも潰れてしまいそうな小屋が建っている。余りにも小さくて、地面に埋まっているかの様だ。畑には沢山の向日葵が植えられている。どれもまだ小さく、花をつけていない。そんな中一本だけ、小さな花をつけている奴が居た。何処か寂しげな景色は、美しい。
赤い土、浅い緑色の木々、焦げ茶色の草、白い壁、赤い屋根瓦、隆起した大地、丘の上の小さな教会、石造りの橋、天井の無くなった家屋、岩で出来た山、雲ひとつ無い空。

クエンカに到着し、取り敢えずマドリッド行き電車の最終時刻を聞く。ある程度余裕を持って先にチケットを購入し、街へ。

取り敢えず地図が無い事には始まらないので、観光案内所へ向かい、地図を手に入れる。山の上までバスで向かい、其処から降りて来るのが好い、と云う事だったので、其の通りにする。流石に荷物を持ったまま、山を登る気には為れない。

駅や観光案内所で荷物を預けようと想ったのだが、何処にも置く事が出来なかった。後日気が付いたのだが、駅のロッカーが閉鎖されているのは、テロを考慮しての事だと判った。数年前に起きたマドリッドでの爆弾テロ以来、主要な駅は空港と同じ様な管理体制になっている。其れに加えて、全ての駅のロッカーが閉鎖されている、と云う事だろう。何しろ何処へ行っても、ロッカーが無いのだ。

仕方が無いので荷物を持った侭バスに乗り、山の上へ。

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歩かなくて良かった、と想った。何しろかなり急な坂で、距離も或る。

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然し其の分景色は綺麗だ。特に街を眺めた景色は格別である。崖沿いに数々の家が並び、其の先に街全体を見ることが出来る。

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下っていくだけなので、まだ楽だ。

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が、荷物は重いし暑い。

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が、景色は綺麗だ。

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下手に降り過ぎるとまた登る羽目になるな、と想いながらも、降りていく。

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美しい。実際に目で見ると、崖沿いに続く家々は結構異質だ。

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日差しが強すぎてレンズの埃が写ってる。今後は気をつけるとしよう。写真は門の上に登った写真。暑い。

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細い路が続き、横に逸れると直ぐに崖が見える。

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糸杉が風に靡く。

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立派な玄関を構えたホテル。

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大き目の通りを歩いても面白くは無い。脇道を歩いてこそ、街が見える。

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立派な教会。と云うことなので、当然金を取られる。そして内部は撮影禁止。ケチ!

実際この教会はかなり興味深かった。複数の時代に渡って建造されたのか、内部の造りが数多くの種類に富んでいる。

・クエンカは美しい。山の上からの眺めはとても綺麗で、崖の端に立つ家々は絵になる。
教会内部の建築は様々なバリエーションに富み、驚かされる。一般的な建築をした部分も十分に美しいが、変わった部分が興味深い。特に天井の造りが様々だ。幾つもの六角形を組み合わせた造りをして、色彩が淡いピンク、白、水色で、レースの様な装飾を施した物や、濃い翠色をした、鍾乳洞のような造りを持った物等。写真に収めることが出来ないのが、残念でならない。

言葉で説明するにしても、写実的であるには絶望的だ。余りにも細微な装飾と、色合い。それらは情景を自分で創り上げ、読み手に想像させるか、実際に見るしか無い。

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教会を出てからも、街をうろうろ。

其の後は吊るされた家、とでも訳すのだろうか、有名(らしい)建物へ向かい、内部の美術館を見ることにする。

そして入ったのが十四時だったのだが、非常に残念なことに十四時半で一旦閉館となるのだ。その後再度開くのが十六時。所謂、シエスタの時間だ。スペインにとってシエスタが必要なのは判る。其れは文化だろうし、こうも暑くてはどうしようもないのも判る、が、非常に不便なことこの上ない。事実としてスペインに這入ってからかなりの美術館や教会を、シエスタの所為で見逃しているのだ。シエスタに合わせて観光すれば好いのかも知れないが、そう云った文化を持たない日本人としては、何とも馴染み難い物が或る。

閉まってしまうものは仕方ないので、急いで見る。因みにこの美術館は抽象画美術館だ。抽象画程見るのに時間を要する絵画は無いと想うのだが、急いで見ないといけない悲しい事実。

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Eduardo Chillida / Marmol y plomo, 1964

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Jose Guerrero / Rojo Sombrio, 1964

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Fernando Zobel / Jardin seco, 1969

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Fernando Zobel / Ornitoptero numero 545, 1962

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Antonio Saura / Brigitte Bardot, 1959

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視覚的に面白い部屋。写真で撮るとまた違う。作品名不明。

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El muro amarillo. Caracas, 1956 どっちが作者名?

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そして作品の半分も見ない内に追い出されてしまった。シエスタめ…。と云うか、美術館とか涼しいから好いじゃん、と想ってしまう。

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橋の向こうへ行く元気もなくなってしまった。

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橋までは行って写真を撮り、戻る。

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その後も暫くは歩き続けていたのだが、流石に疲れてきたので公園で一休み。

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陽射しが容赦ない。

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ちょっと歩いてまた一休み。し、しんどい…!

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また休む。近くに有る教会が開かないかなー、と待っていたのだが、十六時になっても開かなかったので諦めた。

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さようなり。

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小川が涼しげでは在るが、全然涼しくない。暑い。

その後も暫くは町をうろうろとしていたのだが、荷物を背負ったままでは非常に辛く、最後は駅に戻って座っていた。時間が来て、電車に乗り込むまで、大人しく過ごす。

マドリッド行きの電車に乗る。何も無い景色がずっと続いていた。

マドリッドに到着する一つ前の駅で、他の乗客が降りていく。ん?と想っていると、一人の女性が声を掛けてきた。幸い英語が通じたので、話を聞いてみると、此処で乗換えが必要らしい。チケットを買うときは何も云われなかったんですけど…。と想いながら、彼女に感謝する。ポルトガルから来たらしく、クエンカで住んでいるらしい。彼氏がスペインに来るので、マドリッドまで迎えに来たらしい。電車を乗り換え、マドリッドの駅へ着いたとき「このプラットフォームでテロがあったんだよ」と教えてくれた。痕跡は何も残っていない物の、あー、此処でテロが…、と想った。マドリの駅には慰霊碑も或ると云うことで訪れてみたのだが、時間が遅かったので閉まっていた。

地下鉄に乗る時に其の女性とは別れた。何と云うか、こう云う風に始めて会う国の人と話をすると、其の国に行きたくなる。ポルトガルは時間があれば行きたかったのだが、行ってしまうとスペインが薄くなるので行かないことにしたのだ。少し惜しい事をしたかも知れない。

マドリッドではまたしても駅で地図が手に入らず、何処にも地図が無い。と云うか、本気で置いて欲しい。街の地図を置くことに何か問題があるのか?と想う。

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地下鉄に乗りSol駅(市街地の中心部)へ向かう。流石に首都だけあって、人が多い。ホステルはこの近くの筈だったので、人に道を訊きながら歩いていたのだが、どうも辿り着かない。結局一時間以上彷徨った末、最終的に地下鉄に再度乗り、違う駅で降り、何とか見つける事が出来た。と云うか、住所の書き方に問題があったのだ。実際、この中心部からそう近い訳でもないのに、住所にSol広場が書かれていたのだ。お蔭で酷く迷った。

チェックインを済ませ、疲れたのですぐに眠る。