六月十八日、歩く
前日の夜急に思い立ち、パリを出ることにした。二十一日には音楽祭が有ると言う事だったのだが、それだと更に四日間、パリに滞在する必要が出てくる。果たしてそんなに長い間居て、どうするのかと、そう思ったのでパリを出ることにした。まぁパリに居たら居たで何かと面白いのだろうけど、思い立ってしまったので仕方が無い。
最後の最後まで北(ベルギー方面)へ行くか、西から回ってフランスを南下し、スペインに入るか悩んでいたのだけど、日本人の知り合いも居ることだし、スペインはやっぱり行って置きたかったので、西から南へと向かうことにした。ルートとしてはブロワ、トゥール、ナント、ボルドー、カルカッソン、そしてバルセロナ、と言う感じである。一気にスペインまで行ってしまっても良い(と言うか多分それが一番交通費的に安く済む)のだが、それも何だか味気ない話なので、フランスの小さな町も行ってみることにした。でもカルカッソンまで行ってマルセイユに行かないのもなぁ…。と思っているので、その後は飛行機でスペインからベルギーまで飛ぶか、若しくは電車でイタリア方面から北上するかも知れない。
まぁ、余り先の事まで考えると疲れるので、止めて置く。
兎に角そう言うわけで朝、既に住み慣れた環境となってしまったホステル(パリ、ダルダニアンユースホステル。友達も作り易いし良いホステルだと思う。パリだから高いけど。)を出て、アウストリッツ駅まで地下鉄で向かい、チケットを購入。国鉄もやっぱり若者向けに25% offとかしてくれるので、ちゃんと伝えるのを忘れないようにしないといけない。
若し一 日の交通費が?40とかを超える場合はユーレイルパスやらを購入したほうが安いのだけど、今の所はそれを越える交通費は出ていない。と言うか、?40とか、では無くて、早くちゃんとした金額を出さないと…。パリ-ブロワ間、?18。
さようなら、パリ。とても楽しかった。また来ます。最後に見たのは奇抜なデザインのビルだった。
電車で二時間弱だろうか?外から見える景色は一面田舎の風景だった。日本と違うのは、家が建っていないこと。日本と言う国は本当に狭くて、何処まで行っても民家が建ち並んでいるけど、外国ではそんなことは無い。日本は本当に人の多い国である。
取り敢えず新しい街について取る最初の行動は、地図の入手だ。何と言うか、ゲームみたいな物である。着いたらインフォメーションセンター(村人)に話しかけて、情報を入手。マップゲット!みたいな。普通の村人に話しかけないで良いだけ現実のほうが難易度は低い。
ただ自分をゲームに置き換えるとして、最大の難点はそのステータスの低さである。僕みたいな引き篭もりは当然Lv2位な訳でステータス的には
HP 15
MP 3
攻撃力 2
防御力 1
とかそんなんだと思う。しかも装備品には「バックパック(10kg)」と言うお荷物も付いているので、歩くのが非常に遅く、疲れやすい。何しろこの装備、ある意味呪い付である。外せる訳が無い。
まぁ取り敢えず何が言いたいのかと言うと、歩いて疲れた、そう言うことだ。
流石に此処までの道ではなかった。これはわき道。
こう云う小路の先に家があるのは良いなぁ、と思う。
細い通路はついつい覗き込んでしまう。
ううむ。田舎だ。
多分普通に歩けば一時間で着くんだろうが、こうやってちまちま写真を撮りながら歩いていたので、結果的には一時間半掛かった。
野原。
遠いです!
E.D.F! E.D.F!とか云ってたから疲れたのかな。(E.D.F=Earth Defensive Force。地球防衛軍というゲームがある)
のどかだなぁ。
因みに野原の写真の辺りでHPは既に5位です。
距離的には大丈夫なんだが、この日は最高に天気が良く、日差しが無茶苦茶強い日だった。汗だくである。
ゴッホはこんな家を見て絵を描いたのかな、と思った。因みに傾いて見えるのは坂だから。坂しんどい。
これくらいの坂でも結構長く続くとしんどい。
歩道もなくなりました。
広いなー。
上ったと思ったらまた下り坂…!
どんどん下る。
漸く着いた!
取り敢えず荷物を降ろし、ホステル(と言うか山の家?)の前にある木造のベンチに腰掛け、水を飲む。ふう、と一息ついた所で、さぁ入るか!と思うと、扉に鍵。
ん?と思いながら扉にかかれた文字を読んでみると「十時から十八時までは閉まってるよ」と書かれていた。到着したのは十六時頃。元々の予定では一旦荷物だけ置いてバスで町に向かい、少しだけ買い物をしたり観光したりしようかなー、等と考えていたのだが、完全に予想外だった。せめて荷物くらい置かせてよ…。
とまぁ愚痴っても開かない扉は開かない。仕方が無いのでパソコンを取り出し、いい機会なので記事を書くことにした。
いやぁ、外だとモニターが見難い!バッテリーを持たす為に画面の明るさを下げてるものだから、最強に見難い!しかも虫だらけ!小さいからまだ耐えられるけど、流石にキーボードの中に小さい蜘蛛が入っていったときはどうしようかと思った。幸い出て来てくれたので追い払ったが、中に巣でも作られたら、絶対故障する。
そんなこんなで適当に記事を書き上げていき、気付くと十八時。管理人らしき女性(典型的なヨーロッパ系のおばちゃん)がやってきて、鍵を開けてくれた。
其の日その山の家に泊っていたのは僕を含め男性三人、女性四人くらいと、非常に少ないものだった。インターネットが使える環境にあったのと、書いていると止まらなくなったのと、何もしていないと腹が減って仕方なかったので、その後もホステル内で電源を借りて記事を書いていた。二十二時頃に終えて、シャワーを浴びて、ベッドへ。朝食は朝八時と云われたので、早く寝ることにした。