朝、朝食を取れる様な時間に起き、きちんと食べ、一度駅へと向かう。UK国内で使えるRail Passを購入しようと想ったのだが、証明写真が必要らしい。確か日本から数枚持って来たと想ったのだが、どうも置いて来たらしい。後々必要な時もあるだろう、と云う事で撮りに行く。
因みにこのRail Passを持っていれば、チケットの代金が三分の一割引になる。フランスで使っていたのは半額になるパスだったので、それに比べると効果が薄い。代金は£26だった様に想う。後で知った事だが、これを持っていればロンドンのチューブ等も安く出来るらしい。UKに入って直ぐ入手しなかったのは、間違いだった。
と云うのも、初めは其処まで電車を使うとは想って居なかったからだ。基本的にはバスを使い、電車は時々、と云う形を予想していたのだが、UKに関してはバスよりも電車の方が安い事が多々ある。
主要な都市同士を結ぶ場合は、バスの方が安い。例えばロンドン発着便だとか、リバプール発着便だとかだと、距離に関係なく、場合に拠っては£3や£5と云った安値で他の街へ行く事が出来る。(事前にインターネット等で購入した場合に限る。その場で買うとやはり高い。)
だが、大都市以外発着の場合、例えばブライトンからバース等の場合、値段は決して安くない。ブライトンもバースもそこそこ大きな街なのだが、本当に大都市以外はバスは高いと考えて好いだろう。
それに引き換え、電車は事前にインターネットで購入さえすれば、かなり費用を抑える事が出来る。当日駅へ行って購入すると洒落にならない金額を要求されたりするが、ネットで買っていればバスよりは安くなる。まぁ、バスを使うにしても電車を使うにしても、ネットで前以って価格調査をすべき、と云う面倒くさい事実が実際の所だろう。
価格の比較としては
当日電車>当日バス>ネット予約バス(小中規模都市間)>ネット予約電車>ネット予約バス(大都市間)
と云う感じだろうか。因みに電車をネットで予約する場合、出発の前々日以前が好ましい。その場合はAdvance Ticketが購入出来るので、更に安くなる。まぁ、面倒くさいんだが。
実際、この事実を知らないと相当な金額をロスする羽目になるので、UK国内をぐるぐると旅行する方は気を付けた方が好い。若しかしたらフランスやスペインも同じだったのかも知れないが、其の時の値段はそれ程高くなかった様に想うので、気にしていなかった。今想うと、気にしとけよ、と云う感じなのだが、フランス語やスペイン語で書かれたサイトを見るのが、厭で厭で…。そして其れを踏まえても、フランスやスペインはチケットが割安だった用に感じる。まぁ、スペインの電車は嫌いですけど(Renfeは死んでしまえ!)。
余談だが、どれ程の金額をロスするか、と云う事を書いて置く。
例えば前々日にネットで予約購入したチケット(Advance Off-Peak、事前購入且つオフピーク、一番安い組み合わせ)が£9程度だった場合、当日カウンターで購入すると£30とかになる。運悪く値段の高い便しか残っていなかったりすると、£50とか取られてもおかしくないので、UK国内で行き当たりばったりなチケット購入は危険だ。前以てチケットの予約等を行い、それに併せて行動するのが一番安く済む。最低でも前々日には何処へ行くか決めて置く、と云う感じだ。正直、行き当たりばったり出旅行したい僕としては最強に面倒臭い。
何はともあれ汎用性の高い電車を使う機会が多くなるのは確実だったので、Rail Passを購入することにした、と云う訳だ。
Rail Passを無事作り(写真さえあれば発行は一瞬で終わる)、一旦ホステルに戻った。因みにこの時撮った証明写真の出来が酷い。何時撮ったのか判り難い機械で、出来上がったのが半目の犯罪者面だ。残念ながらあと3枚程残っているので、機会が有れば使わないといけない。£4もしたからな!
一旦ホステルに戻った段階で、そう云えば今日は日曜日だな、と想った。日曜日と云えばミサ。然もここはバース。立派なバース大聖堂が有る。
と云う訳で、ミサに出席する事に。
ふらふらと大聖堂の入り口へ行くと、ミサの時らしく神父さんがガードマン宜しく立っている。そして「今からミサになりますので観光の方は…」と云った具合に止めてくれるので、「いえいえ、ミサに参加しに来ました」と抜かして中へ這入る。まぁ、実際これまでに僕の様な年代の、然もアジア人が教会のミサに参加している所を未だ見て居ないので、少し異質であるかも知れない。実際、若者自体少ないのだ。殆どがジーさんバーさんで、後は家族連れの子供が居る程度だ。時代の流れとして、理解出来る。
だが、参加する価値は有る様に想う。宗教的云々の前に、朝日の中に聳え立つ教会は神聖を帯びていると云えるし、ステンドグラスから差し込んだ光が、静かで厳かな雰囲気を持った教会内を照らすのは美しい。そして席に座り、パイプオルガンの均質的な音と共に聖歌隊が現れ、その美しい歌声を披露するのを待つ。それらは宗教的である以前に文化的、芸術的であり、洗練されていると云える。
教会によってミサの様々な形態が有るが、観光客的な見解(本来存在してはいけないのかも知れないが)で云えば、カトリック系の教会が非常に興味深い。昔から続けられているのであろう、所謂「形式的」とも云えるミサだ。プロテスタント系のミサはどちらかと云うと実践的な説教がメインなのに対し、カトリック系は「式」を淡々と行っている様にさえ見える。そして、文化的に日本の其れと余りにも違う其れらを見るのは、非常に面白い。
何処でだったか忘れてしまったが、少年達による聖歌隊の歌を聴いた時は、鳥肌が立つ程に美しいと感じた。別に男女による違いをどうこう云う心算は無いが、明らかに少女の其れとも、女性の其れとも違う、美しい少年の声。其れ等は確かに存在した。古の時代に性器を切り落してまで、少年の声を維持しようとした歴史が有る理由が、少し理解出来る程に、だ。
そう云った体験を味わう事の出来るこの一大エンターテイメントに、参加しない理由があるだろうか?僕は別に誰かに薦めはしない。だが、自分自身で愉しむ事の出来る、非常に好い催しだと受け容れている。
因みに薦めない理由としては、学の無い観光客がミサに参加してその雰囲気等を打ち壊すのが厭だからだ。もしこの記事を読んで参加したい!と想う方が居たとしたら、止めはしない。好い経験になると想う。だが、「参加」するのであって「傍観」するのは止めて欲しい。飽くまで彼等は宗教的活動の一環としてミサを続行しているのだから、単なる観光客が増えるのは宜しくないだろう、と僕は感じる。
僕は渡されたパンフレットの通りに行動するし、礼節を忘れない様心掛けている。多少の献金もするし、立ち去る時に感謝の言葉も忘れない。彼等の説法を聞き流すだけではなく、意味を理解し様とも努力する(言語的に困難が有るので難しいが)。それらを踏まえた上での「参加」だと想うからだ。単に現れて歌を聴いて帰って行くだけでは、とてもじゃないが参加とは云えない。そして其の行動は僕の哲学に反するので、そう云った形では訪れて欲しくないと、此処に記しておく。
まぁ、実際周りから見たら大した違いも無く、僕も単なる観光客に過ぎないのかも知れないが、其れを云ってしまっては意味が無いので。
何だか長々と書いてしまった。話が進まないで居る。
ミサに参加した後、また駅に戻り、Bristol行きのチケットを購入。電車に乗り、Bristolへ。チケットは往復で£3程度だった様に想う。距離的に近い場合は、当日購入でも然程違いは無い。
Bristolへ着いたのは十四時頃。何だかんだで時間が掛かってしまったのだろう。
教会。St Marry Redcliffe、とメモが取られているが、事実かどうかは判らない。
中々豪華だ。
比較的新しい。
天井多いな。
違う角度から。
近くにあった妙な形の小さな公園。何だろ、と想ったら、どうも誰かのお墓の様だった。
何とかスクエアだった気が…。
このスクエアに来る前に、Arrolfiniと云うモダンアートの美術館へ行った筈だ。中で行われていたのは幾つかの映像作品の展示と、環境関係の展示だった。
少しだけ想ったのは、時々見つかる「インパクトだけの作品」とか「テーマ、メッセージだけの作品」とかは如何かなぁ、と云う事。何と云うか、其れをアートの名の下に展示しているだけで、実際にはとてもじゃないがアートとは想えない事が時々ある。芸術的に、且つ主題を以ってして提示された時に残る印象と、唯のプロパガンダ的な表現とでは、天と地の違いが有るように想えてならない。其れとも、其の手の物に其処までを求めることが間違っているのだろうか。僕は知らない。
川沿いを歩いて街を歩き、気づくとブリストル大聖堂(Bristol Cathedral)に着いていた。時刻は十五時過ぎ。内部に入ると、丁度午後のミサが行われる様だったので、参加する。
参加したのは好いのだが、時刻的な事を考えて居なかった。ミサは大体一時間程掛かるので、ミサを終えた段階で十六時半頃。そして其の時に気付いたのが、美術館の閉館時刻だ。
大抵の美術館は十七時で閉まる。時々十八時頃まで開いている場合もあるが、其の可能性は薄い。兎に角、美術館まで急いで向かう事に。
写真とか撮ってる場合じゃないんだけどね。恐らく市役所か何か。
ブリストル市立美術館(で好いのか?City Museum & Art Gallery)に着いたのが十六時四十分頃。で、閉館は案の定十七時だった。
取り敢えず、這入って直ぐに受付で館内図を貰い「十九世紀以降の絵画は何処ですか!?」と訊ねる。「階段上った先だよー。でも後十五分で閉館だからねー。」と云われ、改めて急ぐ。
Roderic O’conor / Promontory, Brittany, circa 1898
Edouard Vuillard / Interior with Madame Hessel and her dog, 1910
Tom Phillips / The Flower before the Bench, 1972
うわー、結構良さそうな作品が多い!然もモダンアートもそこそこ展示してるし、博物館部分も見応えありそう!等と想いながら、短い時間でぽつぽつと見るも、当然ながら見切る事が出来ず、あえなく途中で閉館となってしまった。
大抵の美術館、博物館は月曜休館なので、タイミングとしては最悪だな、と想いながらも念の為聞いて見ると、普通に開いているらしい。少し考えた末、また明日もブリストルを訪れ、きちんと美術館を見る事にした。
その後は美術館のすぐ傍にある、大学の建物を見る。
立派なエントランス。
天井が非常に高い。
内部も見てみたかったのだが、残念ながら関係者以外立ち入り禁止だった。
外から。
然しまぁ、イギリスの大学校舎は豪華な物だ。其れだけ力を注いでいた、と云う事の表れなのだろうか。
既に夕刻となっていたので、街の方向へとぶらぶらと歩き、適当に見て回る。然しながらこの日は日曜日。何処の店も閉まっていた。途中で黒人の酔っ払い(多分大学生)に絡まれて気分を害しながら、街を後にした。自分の存在を恥に想え、愚かな無知の存在よ。等と呪詛の言葉を想い描きながら、電車に乗ってバースへと戻る。
ホステルに戻って夕飯を取り、その後は何時も通りラウンジでだらだらと話をしたり、パソコンを触ったり。就寝時刻は憶えていない。其れ程遅くも無かっただろう。