十月十日、シェイクスピアの町、Stratford-upon-Avon、後Birminghamへ

2009.11.17

朝、八時過ぎに起きるも、酷く眠い。朝早く起きたのは、朝食を取りたいからだ。使い勝手の悪いシャワーに悩まされながらも、熱い湯を浴びて目を覚ます。

朝食は豪華だった。イギリスのYHA(公式のユースホステル)の好い点は、朝食の豪華さだ。場所によっては別料金だったりするが、基本的には付いて来る。しかも、English Breakfastである。バイキングでソーセージやらベーコンやら豆やら、食べ放題である。このチャンスを逃すまいと(ロンドンのホステルでは、呑み過ぎて二度無駄にした)朝早くに起きたのだ。

十二分なほどに食べ、昼食は要らないと確信する。

荷物を纏めチェックアウトして、バスの時間を確認すると、かなり時間が有った。荷物を残して、周囲を歩くことにする。

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ホステルの外観。

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ぶらぶらと歩く。何だかハリボテの世界の様に見えるのは、家々が新しいからだろうか。

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車も、人も居ない。静かなものだ。

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朝の光に照らされる、墓地と教会。

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壁。蔦の這っていた後が見える。

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羊たち。興味深そうにこっちを見てくるが、近付くと逃げる。離れると近寄ってきて、興味深そうに見る。でも、近付くと逃げる。

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豪邸らしく、この先は私有地。どんだけ広いんだ。奥の方にはどでかい家があった。

一時間弱周囲を歩いた後、ホステルに戻り荷物を取り、バス停でバスを待つ。十分ほどで現れたバスに乗り込み、町まで。

町に着いて、観光案内所で地図を貰い、荷物が残せる場所を尋ねると、すぐ近くの店に荷物を残せるらしい。無料かと想いきや、確り金を取られた。確か£2程。

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町をぶらぶらと歩く。

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シェイクスピアに関係する家らしい。其の時は這入らず、後で訪れた時に這入った。

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大きな教会、までの道。

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教会の奥、この部分に這入るのは有料だった。と云うのも、此処にはシェイクスピアの墓が有るからだ。観光名所、と云った所らしい。

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教会は一部修復中らしかった。

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教会の外観。名前はHoly Trinity Church。

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教会の近くにある、川沿いを歩いて町まで向かう。

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町中にはこう云った建物が多く見られる。昔ながらの、イギリス風の家々らしい。

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此れがシェイクスピアの生家。入場料はばっちり取られる。£10程するので、這入るかどうか迷った挙句、這入ることにした。まぁ、折角来たんだしね、と云う事で。そのチケットでシェイクスピア関連の、三軒の家に這入る事が出来る。

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建物内部はシェイクスピアが暮らした時代の様子が再現されており、きちんと案内人も居て、説明してくれる。唯の家としてではなく、エンターテイメントとして訪れる事が出来る様になっている。と云うか、其れ位はしてくれないと値段に釣り合わない。中庭では衣装に身を包んだ二人が、劇を行っていた。タイミングが悪く、終わりの僅かしか見れなかったのが残念だ。待つのもなんだかなぁ、と云う感じだったので、その場を後にした。多分英語的にも難しいしね。

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今にも崩れそうな歪み方をしている様に見えるのだが、外観だけなのだろうか。

その後は上に載せた写真の家と、もう一つの家を訪れる。シェイクスピアが実際に長期間住んでいた家(Nash’s House & New Place)と、娘にプレゼントした家(Hall’s Croft)だ。名前は逆かもしれない。どちらも、その時代にしては非常に大きな家だった。

シェイクスピアが娘にプレゼントした家の方で、係員の一人がツアーの様な事を始めたので、運好く説明を聞くことが出来た。彼の娘が誰と結婚したかとか、この家の特徴だとか。シェイクスピアの血筋は、すぐに消えてしまったらしい。イギリス文学の代表であり、世界で最も知られた作家だろう。彼の書いた劇が此れまで何度繰り返された事か。そんな彼の子孫が残っていたら、第二のシェイクスピアは生まれていたのかな、等と想う。まぁ、血筋が関係有るのか謎では有るけど。

それらの家を見た後、川沿いのベンチに座って少しぼんやりとする。好く晴れていて、好い日だった。

本当は夕方から始まるコンサート(昨日ホステルに泊まっていた楽団のコンサート)を見ようと想っていたのだが、荷物を預けた場所が十七時で閉まってしまうので、諦める羽目になった。せめて何処か、コインロッカー位は置いて欲しい物だが、仕方ない。

電車の時間まで待つ必要が有ったので、荷物を受け取ってからマクドナルドでネットを使い時間を潰す。

その後駅に向かい、チケットを購入してバーミンガムへと向かう。チケットを購入する時に、何故かリターンチケットを買わされた。一旦電車に乗ってから其の事に気付き、急いで降りて「リターンは要らないんだけど?」と云ったら「50ペンスしか違わないから」と云われた。え、そう云う問題…?と想いながらも、電車が出てしまいそうだったので、車内に戻る。まぁ、50ペンスくらい好いんだが、そう云う問題じゃねぇよ、と想った。流石、適当な仕事をしてくれる物だ。

車内では日記を書く。

バーミンガムに着き、ホステルまで歩く。徒歩十分程。ホステルに着いてからは日記を書いたり、紙の類を整理したり。二十四時頃には寝たらしい。

十月九日、歩いてBourton-on-the-waterまで、Stratford-upon-Avon

2009.11.17

朝、八時半頃起床。普段と比べても朝が早いのは、前日のチェックインの際、English Breakfastを注文していたからだ。折角金を払って、寝坊して逃してしまっては意味が無い。

其の時に初めてイングリッシュブレックファーストを食べたのだが、かなり量が多い。日本の朝食も量は多いが、此れはどうも脂っこい、と云う感じだ。何しろベーコン、ソーセージ、卵、煮豆、ポテトを潰して揚げたやつ(名前何だっけ、ど忘れした)、トーストと云った感じで、かなり油分が多い。日本の朝食と言えば味噌汁、ごはん、魚、と云った所が日本食的な朝食だと想うのだが、実際其れをヨーロッパ人に云うとかなり驚かれる。と云うのも、こっちでは基本的にトースト、シリアル、紅茶、位な物で、イギリスやスコットランドは特異な方だからだ(多分)。因みにスコットランドは、English Breakfastよりも更にボリュームがあるらしい。まだ試していないので、近々試してみたい。

朝食を鱈腹食べ、満足して荷物を纏める。一旦チェックアウトして、荷物を残してBourton-on-the-waterへと向かう。最初はバスで行く心算だったのだが、どうも次のバスまで一時間以上あるらしい。どうせなので、歩いて行く事にした。

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まだ朝が早い所為か、少し靄に包まれた様な景色が広がる。

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道路沿いを歩いていたのだが、ふと横を見ると林の路があった。ふらふらと歩いて行く。

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少ししてまた道路に。

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少しすると歩道が無くなった。道路脇の路を歩く。草が綺麗に模様を描いていて、如何してだろうと想っていたのだが、少しして車の起こす風の所為だと気がついた。風に吹かれた草が同一方向に倒れ、風の模様を作っているらしい。

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牧場がずっと続く。

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50マイルと云う事は、大体80キロ位だろうか。まぁみんな100キロ位で横を抜けていくので、かなり怖い。

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そんな感じで村に到着。此れは村の外れから這入る時の路。この美しい小路だけでも「来て好かった」と想えた。

空は晴れ、空気は少しだけ冷たく、心地好い。太陽に照らされた黄金の木の葉が風に揺らめき、キラキラと光る。路に落ちた枯葉を踏むと、カサリと乾いた音を立てる。村まで続く並木道。左を向けば、美しい緑の芝生が遠くまで続く。右からは、地元の小学校だろうか、子供達の遊ぶ声が聞こえる。

村の外れに在るので、恐らくバスで来たら見つからないだろう。こう云う予期せぬ景色も、歩く愉しみの一つだ。偶然による出会い。決められた路では、絶対に見つからない。

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小路の先、協会。

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天井一面の装飾。

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Bourton-on-the-water。村の中心部に、小さな川が流れる、美しい村。川は浅く、幅も5メートル程だろうか。緩やかな流れが続き、村の景色を素敵な物にしている。

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鴨の足跡。

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はやり川はある程度小さい方が素敵だ。大きすぎる川は好みでない。景色に潤いを与える様には、想えないからだ。僕が京都出身であると云う事も、大きく作用しているのかも知れない。鴨川や、高瀬川、哲学の道を流れる川(今初めて川の名前を知らない事に気が付いた。京都で最も好きな場所の一つだと云うのに)。京都で見慣れた場所に、大きな川は無い。

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どうもこの村は、観光地としても有名らしい。観光客が沢山居たし、日本人観光客も居た。ツアーか何かだろう。

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確かに訪れる価値はある。緩やかに流れる川、可愛らしい家々。イギリスの田舎の中でも、有名になる理由が判る。

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村の裏側をふらふらと歩いていると、散歩道を見つけた。どうやら村に流れ込んでいる川の、少し上流らしい。

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牧場の横を流れる川。

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其の侭歩いていくと、(恐らく)水車小屋に辿り着いた。川を跨いで立つ家が立派だ。二股の川が、此処で合流しているらしい。

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実際に目で見ると、かなり美しい。

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気に入ったので軽くスケッチを取る。

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小路を抜けると、村の端に出た。其処からまた歩いて村の中心部まで戻る。好い散歩道だった。地元の人は見かけたが、観光客は見なかった。

少し腹が減ったので、Fish&Chipsを買って食べる。ニュージーランドに居た頃は好く食べていたのだが、実に久し振りだった。味は、ニュージーランドで食べた時の方が美味しかった気がした。味覚が変わったのか、実際にそうなのか。それは判らない。魚はきっとニュージーランドの方が新鮮だろうから、其れもあるのだろう。

食べ終わる頃に丁度帰りのバスがやってきたので、乗り込んでStow-on-the-Woldに戻る。バスに乗っていたのは体感で五分ほど。歩くのと大きな違いだ。

其処からMorton-in-Marshまで向かうバスは、更に一時間以上待たないと無かった。ホステルのラウンジで、日記を書いて過ごす。

静かに日記を書ける好い機会だったので、出来るだけ書いて置いた。バスを一本ずらし、その日の最終バス(と云っても夕方だが)でMorton-in-Marshへ向かい、電車でStratford-upon-Avonまで。二度乗り換えて、三時間程で到着。確か、南へ向かい一度Oxfordに戻ってから、また北へ向かいStrafrodまで、と云う形だった様に想う。バスを使うにも値段が高く、電車にしたのだが、時間が掛かる。

駅からバス停のある町の中心部まで歩き、バスを待つ。三十分ほど待って現れたバスは、違うバスだった。聞いて見ると、どうも次のバスは一時間後らしい。外は寒く、空腹だったので、すぐ近くにあったマクドナルドで食べる。ネットを使い時間を潰し、漸くの事でバスに乗り込む。

町から十五分ほどだろうか。感覚としては、Bourton-on-the-waterとStow-on-the-woldの間よりも、遠くに感じられた。バスの値段は£2.40。結構高い。

ホステルに到着し、門から建物までの間に、小さな野ウサギを見た。僕に気が付いてすぐに逃げてしまった。

チェックインを済ませていると、食堂の方から音楽が聴こえる。訊いて見ると、楽団が明日のコンサートに向けて練習をしているらしい。取り敢えず荷物を部屋に残し、手帳を持って食堂へ。

・お祭りの様な音楽。バイオリン、ギター、見慣れないドラム、フルート、サックス、アコーディオン、歌声。二十名ほどの集団が、愉しげに音楽を奏でる。様々な音色が響く。正確さよりもテンポの好さ、リズミカルな流れ、アクロバティックな音色。飛び跳ね回る音の数々。聞いている人間も、演奏している人間も、自然と笑顔になるような音楽。聞こえもしない笑い声が、聞こえる様だ。時刻は二十二時過ぎ。好い集団に廻り合わせたらしい。

音楽を聴きながら、手帳に日記を書き留める。外はもう真暗で、何も見えない。先程の野ウサギは、音楽でも聴きに来ていたのだろうか。

夜は二十四時頃に眠る。