十月二十九日、車窓からの景色、フォートウィリアム
朝、十時前には起き、荷物を纏める。
今度こそは無くさないようにカナダ人と連絡先を交換し、別れを告げた。同じ様な時期にアイルランドを訪れるかも知れないので、その話をして別れた。
今度こそ電車に乗り、一路フォートウィリアムへと向かう。先にスターリングまで来てから気付いたのだが、電車でフォートウィリアムへ向かう為には、一旦グラスゴーへと戻る必要が有る。バスも有るかも知れないのだが、其の時は調べていなかった。
電車に揺られ、乗り換えを挟みフォートウィリアムへと進む。
車窓から見える景色が本当に美しい。線路沿いに多くの木々が並んでいるので綺麗に撮れないのが残念だ。
穏やかで大きな河が山間を抜け、山の麓には小さな村々が並んでいる。
其れ程高くない山でも、頂上が雲に隠れて見えない。
広大な土地が隆起している。その中にぽつんと建つ家。美しい。
高山地帯を延々と抜けているような気分になる。それとも、ここは既に高山地帯なのだろうか?
低い雲が果てまで覆う。
緑と黄金のコントラストが山に広がる。人の手で植えられた様に見える。
本当に面白い地形をしている。
見ていて飽きない。
この丘はどれ程の高さなのだろうか。
川を越える橋の上から見た景色が、とても美しかった。
白く雲で隠れてはいるが、実際には山が続いている。頂上が何処だかさっぱり見えない。
曲がりくねった川が流れる。
湖。綺麗だ。
景色を眺めながら「あぁ、これがスコットランド、ハイランドなのかな」と想った。現実離れした景色だった。
山の頂は雲に隠れてしまっている。山の連なる間に、湖が流れている。流れは穏やかで、ただ風に由って生まれたさざ波だけが、微かにその動きを表し、水面に模様を作り出していた。
山間を抜けて電車は進む。
山の表面から、湯気が立つようにして霞が雲に向かって延びている。奥から太陽の光が射し、山を煌めく様に縁取る。低い空の圧迫感と、光の隙間から見える開放のコントラストが美しい。手前には細長く伸びる湖。水面は低い空のみを映し、止むことの無い小雨の音色の様にして、穏やかに、ただ空を見つめている。
雲がますます降りてくる。今や空は、ここにある。
PeanBridge(だったと想う)と言う駅の手前に差し掛かると、電車は沢の直ぐ傍を通る。非常に美しい沢なので、若し電車でフォートウィリアムへ向かう場合は是非とも見て頂きたい。左側に座ると綺麗に見える。因みに僕が乗った時は殆ど人が居なかったので、電車の右へ左へ、まるで子供の様にうろうろとして居りました。
窓の外を眺め続けている内に到着。ホステルまで歩き、チェックインを済ませる。
その後街まで出て、夕飯の食材を調達。戻る頃には日が暮れ、街よりも少し高い位置にあるホステルからは、美しい街の夜景が見れた。
夕飯を食べ、夜はネットなどで過ごす。ホステルのスタッフが非常に好い人達で、家の様に寛ぐことが出来た。フォートウィリアムバックパッカーズ。その後数日世話になるが、非常に好いホステルだった。