十一月九日、雲を抜ける、Aberdeen

2010.03.25

朝、九時半頃に起き、朝食を済ませ、荷物を纏め、駅まで向う。

駅で三十分ほど電車を待ち、アバディーンへと向かった。

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雲が降りてきているのか、それとも単なる霧なのか。

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然し僕の目には、雲が降りてきているのだと想う方が自然に映った。

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辺りは白く包まれ、何も見えない。遠くから林が現れても、見えるのは数本先の木々までだ。

・雲が降りて来ている。低くなりすぎた雲は地表に達し、霧の様に辺りを包み込んでいた。視界は閉ざされ、十メートル先が見える程だろうか。真白に包まれた先から、木々の姿が現れる。地表には淡い緑が見えるが、大きな霜が降り、辺りは一面真っ白になっていた。この、先の見えない空間に、一人で居る様を想い描く。

・静かだ、何の音もしない。まるであたり一面の白が音を吸い込んでしまったかの様に、何も聞こえない。視界に広がるのは、白いフィルターをかけた世界。遠くに、木の陰が見える。はるか遠くに有るように見えるが、意外と近くに有るのかも知れない。色の消えた、麦僊とした世界だった。
足許に目を遣る。草に霜が降りて、凍り付いた緑が微かに見える。辺りを見渡しても、自分の足跡が見当たらない。自分の立ち竦んでいる足許にだけ、霜の溶けて無くなった、黒ずんだ緑が見える。
自分は何処から来たのか。周囲を見ても、何も判りそうに無い。
酷く寒い。吐く息は白いのかも知れないが、辺りの色に溶けてしまって、何も見えない。
足を一歩、踏み出す。地面から伸びた氷の柱が砕かれて、乾いた音を出す。ザッ、ザッ、と音を立てる。僕はゆっくりと進んで行く。

遠くに有るように見えた木々は、やはり其れ程遠くでは無かったらしい。すぐに姿を判然とさせ、其処に佇んでいた。木ノ葉は一枚も無く、この冷たい空気に身を晒した、幹と枝が伸びているばかりだ。
奥は森になっているのだろうか。幾つもの木々が先には見えた。だが、何処まで続いているのか、見当もつかない。辺りは依然として真白で、雲の中に居る様だった。

そんな事を書いている内、目的地に着いた。

ホステルまでは徒歩で向う。歩いて四十分程。チェックインを済ませ、荷物を残し、町へ。

取り敢えず美術館へ行ってみたのだが、月曜なので閉まっていた。

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街を歩いて写真を撮る。

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観光名所的な大きな建物だったのだが、ファサードを残して内部は全面改装を行っているらしい。古いだろうから仕方ないのだろうが、内部の建築を壊して立て替えてしまうのは、何だか勿体無いなぁ、と想う。

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街の中心地近くには大きな公園が有ったのだが、流石に寒いので人が居なかった。

十六時頃ホステルに戻る。途中でスーパーにも寄り、食材を買う。

ホステルでは日記を書き、夜は一時頃に眠る。

十一月八日、散歩、買い物

2010.03.25

朝、十一時頃に起き、朝食を取り町へ。またも特に何も考えずに歩き、大きな公園を抜けたりする。気付くとまたネス川に出ていた。

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好く晴れている。

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河沿いの鴨。水面の揺らぎが綺麗だった。

河沿いを歩いて町へと向かい、幾つか買い物を済ませる。靴下と靴底のシートと水彩画のセットを買った。そしてこの時水彩画の道具を買ったのは好いのだが、好く考えると未だに使っていない。理由としてはただ一つ、寒いからだ。ペンでスケッチを取るだけなら手袋をはめた状態でもまだ出来るのだが、流石に細かい道具を扱う事は出来ない。と云うか寧ろ、寒すぎて凍る。もう少し暖かくなるまでは、鞄で眠っていて貰うとしよう。

その後は特に行きたい処も無かったので、ホステルに戻って日記を書く。この日は猫に邪魔されていた。

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すっかり懐かれたらしく、座っていると膝の上に乗ってくる。可愛いやつめ。

遅くまで何かと作業をしたりで時間を過ごし、夜は二時半頃に眠った。

十一月七日、散策、のんびりした一日

2010.03.25

朝、十時半頃に起き、朝食を済ませて外へ。特に行く当てもなく歩く。

町を抜けて港の方向へ向かってみたが、いまいち綺麗じゃない。と云うか、明らかにガラが悪くなり、治安もあまり好くなさそうなエリアに出た。とは云え面白そうなものも無いので、用は無いと判断して戻る。

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今度は河沿いを逆方向へ歩き、ネス湖方面へと向う。とは云え、歩いて行く事は考えていない。

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途中で立ち寄ったらしい。

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河沿いは静かで、街の喧騒から離れることが出来る。何も考えずに、河沿いを散歩する。カップルや、犬を連れて歩く人々が居る。車は少なく、静かだ。水の流れる音が聞こえていて、気持ちが良い。

途中で河の中に浮島があり、其処に行くことが出来るようになっていた。

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公園のようになっていて、過ごしやすい。

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木が蛇のように彫られている。

ベンチに座り、少し日に当たる。気温は低いが、日差しが暖かい。

その後はまた町の方向へと向かい、歩いていく。途中でスケッチも取った。

町に有る博物館を少し見て、その後観光案内所へ行き、地図とネス湖に向うバスのタイムテーブルを貰う。博物館は郷土資料博物館、と云う感じだった。

その後はホステルに戻り、ネットでもして時間を過ごしていた様に想う。

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ホステルの猫。人懐っこくてふわふわで可愛い。

夜はパスタでも食べて、また一時頃に眠る。酔いどれのオッサンはまたもや大音量で音楽をかけ、寝ていた。この日だったか定かでないが、一度床に倒れていた事が有る。部屋は決して暖かくはなく、寧ろ寒い方だったのだが、声を掛けても起きなかったので放ったらかしにしておいた。わざわざ頑張って起こしてやるほど、僕は優しくない。